おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

精神医療の貧弱さまたは難しさ

2007-08-20 23:08:05 | つぶやき
 迷走したままの朝青龍の今の事態。スモウ協会は、方針を出さず、親方もどうするか答えを言わないまま。ムダに時が経っていく。
 本人は、医師の訪問診断にも、ろくに受け答えできずにいるらしい。協会の「軟禁」処分すら理解できているのかどうか。
 親方への内外からの批判もますます激しい。有識者かどうか知らないが、今やあれこれ入り乱れての場外乱闘の気配すらうかがわれる。専門医師の診断が曲がりなりに出ているのに、その診断した医師は「自分は治療に当たるよう依頼されていない」とかで、主治医すら決まっていない状況。
 昨日のTVでは、精神科医が「ただふてくされている状況だけだ」と発言した。子供などがふてくさっても、ものの数分のことで、ご機嫌が直る。大の大人がふてくされて、訪問した専門医にも「ふてくさった状況のまま」。それも一日や二日ではない!1週間も2週間も続いていたら、もうりっぱに精神的な「病」と診断するのが世間でも常識。
 それを専門医と称する人が「ただふてくさっている状況だ」とは、いったいどういう専門的知識か、疑う。
 かつて、小生の親戚筋の娘が「鬱」病と診断され、心療内科に通院した。大変な生活状況に陥り、職場も休職。薬もあれこれ変えながらも、なかなか効果が上がらなかった。それこそ漢方薬から新しい薬まで試してみた。その甲斐あって、5ヶ月過ぎから、何とか危機を脱し、だんだん明るさが取り戻ってきた。これはいい按配だと思っているうち、だんだんと行動が積極的になってきた。医者は、「もう大丈夫でしょう。薬もやめていいです」と本人に告げた。
 その頃は、もうけっこう活動的になってあちこちに出かけて知人と会う、そのうち、道行く見知らぬ人にも声をかける。どちらかといえば、スポーツ嫌いだったのが、朝から晩までスポーツで汗をかく。金遣いが荒くなる。見る見るうちに、そういう状態になっていたので、医者に電話した。
 「どうも『躁』転したのではないか。薬をやめるのではなく、何とか治療を続けて欲しい。」すると、その医者曰く「心配ありません。だいたい『躁』状態の方が自分から医者のところに来ることはありません。きちんと来ていましたから。」それから数ヶ月がもっとひどい状態に。家に帰らず、人のところに泊まり歩き、モノを買いまくり、・・・。借金を膨大に作って、また「鬱」状態に戻った。そして、また元の医者に通うようになった。
 それから2年以上経つ。今もその医者に通い、自分の心身の状態をきちんと伝えて、薬を処方してもらい、服用を続けている。そのせいで、今は仕事にも(無理せず)励み、家族の面倒もみながら、自分の生活を送っている。自分でも「躁」転しそうで、危ないなと思ったら、早めの治療を心掛けている。
 先日、その医師から、「あなたはやはり双極性の、つまり躁鬱病でしたね」と言われて、ショックを受けたそうだ。「薬もいいですと治療を止めたとき、親戚の方から連絡があって、躁ではないかといわれたが、今思うと、たしかにその方の言うとおりだったですね。」
 まだまだ治療中なので、軽々に言えないが、あの時、的確な診療をしていたら、もう少し違う展開になったのだろうか。それとも、治療の有無を問わず、『躁』転してしまったのだろうか。
 心の病は深い!脳内のドーパミンが原因で云々と言われて、薬物治療が最優先されることは、当然。一方で、その判断が難しく、どの薬が適していて、どのように服用をやめたらいいか。また、薬を服用してもしなくても、心の病は進んでいくものなのかどうか。今もなお考えることがある。
 朝青龍の病は、さぼりでもなくふてくさりでもなく、もう精神的な病である。がんばればどうにかなる。親方の対応がいけない。などと場外乱闘している余裕はない。適切な薬物治療と適切な療法が、今、一番大事ではないか。
 まして、あれだけの格闘技の選手。日常的な激しい鍛錬によってやっと維持できる身体(精神)機能。これだけ家に「引きこもっていた」ら、体力もすっかり衰え、もう二度と土俵に戻れなくなっているのではないか。
 異国の地でこれだけ立派に闘ってきた、彼の名誉と自負心を傷つけてはならない、と思う。(以上、午前中に書いたものです)
 さっき帰宅し、「ニュース」を見たら、「解離性障害」と診断されたという。どういう病気なのか分からないが、(「解離性同一性障害」とかいう病気は、身近に悩んでいる人がいたので、ちょっと気になったことがあった。)やはり早期の治療が必要ではないか。その場合、帰国して治療に専念することも選択肢の一つではないだろうか。
 にもかかわらず、あの自己判断能力に著しく欠けている(ように思える)高砂親方は、帰国はさせないと息巻いているそうだ。もうドクター・ストップで帰国させた方がいいのではなだろうか。それが、家族からの申し出による、自発的な引退につながったとしても、もう朝青龍は限界なのではないだろうか。
 それにしても、いい医者・いい師匠に恵まれなかった、気の毒な青年だ。
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