JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」の2018年7月号の特集は、荒俣宏妖怪探偵団『信州の夏は、ワンダー』というもので、江戸時代に記された「信濃希勝録」を手本にして長野の不思議に迫るために、様々なスポットを巡った模様が載っています。茅野市の尖石縄文博物館、松本市四賀化石館、野辺山宇宙電波観測所などを訪れていて、こういう博物学の旅というのも面白そうです。博識なピアニストのアルバム。
TOMMY FLANAGAN (トミー・フラナガン)
THE TOKYO RECITAL (Pablo 1975年録音)
トミー・フラナガン(1930~2001年)が歌手のエラ・フィッツジェラルドの日本ツァーの伴奏者として来日した1975年2月に東京でスタジオ録音されたアルバムです。内容は、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーン曲集で、まさにリサイタルの名に相応しいように思います。輸入盤のレコードで聴いています。
メンバーは、トミー・フラナガン(p)、キーター・ベッツ(b)、ボビー・ダーハム(ds)。当時、フラナガンは、エラ・フィッツジェラルドの伴奏者兼音楽監督を務めていて、フラナガン、ベッツ、ダーハムは、いわばレギュラー・トリオを形成していたので、息もあっています。
エリントン、ストレイホーン曲集です。「All Day Long」、「 UMMG (Upper Manhattan Medical Group)」、「Something To Live For」、「Main Stem」、「Daydream」、「The Intimacy Of The Blues」、「Caravan」、「Chelsea Bridge」、「Take The A Train」(A列車で行こう)の9曲。1967年にエリントンが初録音(発売は1986年)したストレイホーン作の「The intimacy of The Blues」を、フラナガンが早くも取り上げて、ここに収録しています。
最初の「All Day Long」から、フラナガン(p)のきわめて変化に富んだアドリブを楽しむことができます。録音もよくて、べースやドラムスがクリアに聴こえるのも特筆もの。幻想味の漂う「Something To Live For」、右手のシングルトーンによるアドリブも美しい「Daydream」、リラックスし、しみじみとした味わいの「Chelsea Bridge」と、スロー乃至ミディアムテンポの曲も素晴らしい。お楽しみ曲の「Caravan」や「Take The A Train」も収録され親しみやすさもあります。
【トランヴェール2018年7月号】
表紙
荒俣宏さんら探検団のメンバー。
尖石縄文博物館で国宝の土偶(仮面の女神)を見学する探検団。
化石も長野県内からたくさん出土しています。ナウマンゾウやマッコウクジラなど。
星空観察のメッカともいえる、野辺山へ。
野辺山宇宙電波観測所の近くを通るJR小海線の列車。背景は八ヶ岳。
これは特集とは関係なく、湯守のいる湯として紹介されている「高峰温泉」の記事。黒斑山(浅間山の外輪山の一つ)登山の帰りに立ち寄ったことがあります。喫茶室もあって、寛げました。