名古屋フィルの名曲コンサートが上田市のサントミューゼであったので、行ってきました。上田公演は3回目になりますが、今回はベートーヴェンの曲が取り上げられたので、どんな演奏になるか楽しみに出かけました。
(出 演)
指揮:川瀬賢太郎
ピアノ:小川典子
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
(曲 目)
ベートーヴェン / ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
ベートーヴェン / エリーゼのために(バガテル イ短調 WoO59)【小川典子さんのアンコール曲】
<休憩>
ベートーヴェン / 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
(感 想)
ベートーヴェンの重量級の2曲を堪能したコンサートでした。まず、ピアノ協奏曲第5番ですが、堂々としたスケールの大きな、安定した演奏でした。小川さんの演奏は初めて聴きましたが、ミスタッチやテンポの乱れのない正確なもので、第1楽章のカデンツァも素晴らしかった。ただ、音質がドライなところがあり、しっとり感があればなおさらよいのにと感じました。
アンコールで弾いた「エリーゼのために」も見事な演奏で、旋律をきれいに出すとともに、左手の動きがよくわかる演奏でした。「エリーゼのために」は小曲ですが、小川さんはこういった独奏曲を面白く聴かせてくれるピアニストでもあるのでしょう。
休憩を挟んで、後半は交響曲第3番「英雄」。指揮者の川瀬賢太郎さんは既に大活躍している若手指揮者ですが、颯爽としたかっこいい指揮ぶりでした。渾身の力を入れたというか、すべての楽章においてテンポが速く、音量もかなり出していると思われました。第3楽章は、全体に躍動感があって、名古屋フィルのホルン陣もよい演奏をしていて印象に残りました。
僕はこの交響曲では第4楽章が好きなのですが、ダイナミックさが全開で激しく厳しい演奏のように感じられました。それはそれでよいのですが、あらかじめ、穏やかな「英雄」の演奏(べーラ・ドラホシュ指揮ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア(NAXOS))を聴いて行ったので、一層そのような感じがしたのかもしれません。
お客様はざっと6割くらいしか入っていなくて、土曜日のマチネーということもありますが、ちょっと寂しく、もったいない気がしました。
【会場入り口に飾られた大きな看板】