近藤史恵さんの小説「マカロンはマカロン」(創元推理文庫)が面白かった(その記事へのリンク)ので、同じ著者の「ときどき旅に出るカフェ」(双葉文庫)を購入して読みました。
表紙
カバー裏面にある本書の紹介。
目次は次のとおりです。
(感 想)
著者には、フランス料理が登場する「ビストロ・パ・マル」のシリーズがありますが、これはその喫茶店版といった内容です。料理と共にスイーツが登場して、しかもそれが珍しいものばかりなので、それだけでも興味が湧きました。例えば、北欧の方で作るという「苺のスープ」とかベルリン近辺でよく食べられている「ロシア風ツップククーヘン」とか。
物語の舞台になっているのは、「カフェ・ルーズ」という喫茶店で、女性店主が一人でやっているお店。月初めの一週間程度がお休みになり、その間に海外や国内の旅行にでかけて、そこで出会った珍しいスイーツや料理を提供しているのが特徴です。実際にそんなお店が近くにあれば、リピートしたくなるほど魅力的に書けていました。
物語に不倫だとか、浮気だとかも出てきますが、それらも間接的に上品に描いてあり読後感が爽やかです。最終話は、店主の円さん本人の謎解きにもなっていて、ダブルでちょっと驚かされました。さっと読めます。