安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

近藤史恵著「マカロンはマカロン」(創元推理文庫)を読みました。

2020-10-07 20:01:13 | 読書

近藤史恵著「マカロンはマカロン」が、創元推理文庫の新刊で出たので、読みました。「タルト・タタンの夢」、「ヴァン・ショーをあなたに」に次ぐ3冊目で、前2冊が面白かったので購入したものです。

   

著者は1969年大阪市生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年に「凍える島」で第4回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。2008年「サクリファイス」で第10回大藪春彦賞を受賞。著書多数。

(文庫裏面の内容紹介)

   

(感 想)

8編の物語が収録されていますが、舞台となる「ビストロ・パ・マル」で提供される料理の数々や三舟シェフをはじめとする登場人物が魅力的で面白く、あっという間に読みました。著者の近藤さんのフランス料理やワインに関する知識が凄いのには、今回も驚かされました。

解説を書いた若林踏さんは、本作は『日常生活を舞台にしながら、職業における専門的な知識や、それに根差す探偵役の独自な視点をフックとして、読者を惹きつける「お仕事ミステリ」』の範疇に入るものだそうで、『このシリーズで描かれる謎は、本当に些細なものが多い』と記しています。

謎解きにも興味を湧かせられますが、物語自体が人と人との出会いや別れに絡んだものがあるなど、ドキドキしたり、ほろっとさせられたりと、著者はストーリーテラーとして優れています。「追憶のブーダン・ノワール」、「ムッシュ・パピヨンに伝言を」や「マカロンはマカロン」など印象に残りました。

帯の裏面から