河村尚子さんのピアノリサイタルが、軽井沢大賀ホールで開催されたので、聴きに行ってきました。
(河村尚子さん略歴)
2006年ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、クララ・ハスキル国際コンクールで優勝。以後ドイツを拠点にウィーン響やバイエルン放響などにソリストとして招かれる一方、リサイタルを開催。国内では、NHK響など主要なオーケストラと共演。恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当。新日鉄音楽賞、出光音楽賞などを受賞。CD多数。
(曲 目)
モーツァルト:ピアノソナタ第11番 イ長調K.331 「トルコ行進曲つき」
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66
ショパン:夜想曲第17番 ロ長調 作品62-1
ショパン:スケルツォ第4番 ホ長調 作品54
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 「月光」
以下アンコール曲
ショパン:夜想曲第8番 変ニ長調 作品27-2
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 作品120 D664 より第1楽章
(感 想)
このピアノリサイタルを聴こうと思ったきっかけは、映画『蜜蜂と遠雷』を観た際に主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当した河村さんの演奏に感銘を受けたからです(その際の拙ブログ記事へのリンク)。その時のイメージと同じく、本日もがっちりとしたスケールの大きな演奏でした。
モーツァルトのソナタ第11番「トルコ行進曲つき」が、面白くまずは印象に残りました。河村さんは、装飾音を自在につけたり、トルコ行進曲冒頭の旋律の繰り返し部分でリズムを変えてみたりと、自由闊達に演奏していて、華やかさもありました。モーツァルトに関してはこのような演奏が現在主流なのでしょうか。
ショパンの幻想即興曲やベートーヴェンの月光ソナタでは、パッセージの音の粒が揃い爽快感も感じました。女性ピアニストには繊細なイメージを持っているのですが、河村さんは豪快なイメージで、左手で弾く和音に重さがあるなど、その点はちょっと驚きでした。
アンコールのショパンの夜想曲第8番は、この大賀ホールに初めて出演した時に演奏した曲だそうです。そんな話もしてくれて親しみも湧きました。じっくりとピアノ演奏を楽しめた素晴らしいコンサートでした。
【河村尚子ホームページ】
【当日の軽井沢大賀ホール】
道路を挟んだ町営駐車場から。
離山と大賀ホール。