群馬交響楽団コンサートマスターの伊藤文乃さんのヴァイオリン・リサイタルが上田市サントミューゼで開催されたので聴いてきました。
(出 演)
ヴァイオリン:伊藤文乃
ピアノ:高橋多佳子
伊藤さんは、桐朋学園大学、スイスのベルン音楽院卒業、1996年にティボール・ヴァルガ国際音楽コンクール第3位(1位なし)。1997年~2005年広島交響楽団コンサートマスター、2009年から群馬交響楽団コンサートマスター。高橋さんは、桐朋学園大学、ワルシャワ・ショパン音楽院卒業。1990年ショパン国際コンクール第5位。国立ワルシャワフィルや国内の主要オーケストラと共演。ソロ活動の他室内楽でも活躍。詳しくは、下記のチラシ裏面をご覧ください。
(曲 目)
ロベルト・シューマン / 3つのロマンス Op.94
ブラームス / ヴァオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」
〈休 憩〉
クララ・シューマン / 3つのロマンス Op.22からNo. 1
ジュール・マスネ / タイスの瞑想曲
ブラームス / ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108
クライスラー / 愛の悲しみ(アンコール曲)
モンティ / チャルダッシュ(アンコール曲)
(感 想)
ロマン派の音楽に浸れたよいコンサートでした。特に印象に残ったのは、ロベルト・シューマンの「3つのロマンス」で、こんな名曲があったのかとびっくり。第3番で、ヴァイオリンとピアノがユニゾンで旋律を弾いていくところなど、叙情美が溢れていました。
それに対して、クララ・シューマンの「3つのロマンス」から1番は、和音の響きなどやや抽象的な部分がある曲で、クララの方がロベルトよりも、いくらか新しい感じがしました。ちょっと晦渋ですが、これも良い曲で、全部聴いてみたい。
ヴァイオリン・ソナタ第1番は、元々好きな曲です。伊藤さんの持ち前の美しい音色と、高橋さんの協調ぶりがよかった。タイスの瞑想曲のあと、ソナタ3番の方は、1番に比べると甘さ控えめの重厚な曲だと思いますが、二人は情熱的に弾いていて、スリリングな感じもありました。
(チラシにある二人の略歴)
【あらかじめ聴いたCD】
ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番」。ジェルジ・パウク(vn)、ロジャー・ヴィニュールス(p)。Bririant Classicから出されたブラームス室内楽全集の中の一枚です。
【会場で購入した伊藤文乃さんのCD】
ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番ほか」。伊藤文乃(vn)、渡邊一正(p)。2009年浜離宮朝日ホールリサイタル ライブ録音。本日のリサイタルがよく、自宅でも聴きたくなり購入。