沢野ひとし著「山の帰り道」(角川文庫)を読みました。
表紙
(ブックカバー裏にある本書の紹介)
(著者について)
沢野ひとしさんは、1944年名古屋市生まれ。イラストレーター。児童書出版社を経て独立し、「本の雑誌」創刊時より表紙・本文イラストを担当。第22回講談社出版文化賞さしえ賞受賞。「山の時間」(白山書房)、「クロ日記」、「中国銀河鉄道の夜」(本の雑誌社)など著書多数。
(目 次)
(感 想)
「本の雑誌」をたまに読んだことがあり、著者の名前にも記憶があるので購入した本です。60代前半に書いたと思われるエッセイが収録されていますが、北アルプス縦走やロッククライミングを行っていた際の話など、山については回想の文章が主です。
特に印象に残った章は、「初夏の上高地」と「穂高神社の奥の院」で、上高地での友人との想い出や徳本峠ルートの話など興味深く、また、200年前に穂高神社の氏子が1泊2日で、穂高から大滝山を経て蝶ヶ岳から明神池まで行くという話に驚き、興奮させられました。
本書の後半は、自宅のある町田市の話で、多摩丘陵の自然が残り、居酒屋や喫茶店をはじめ都市機能も充実している街での暮らしぶりが描かれています。地域に溶け込み、いかにも楽しげで、見習いたいと感銘を受けました。
(著者の絵 上高地からの穂高連峰)
(著者の絵 明神岳など)