近藤史恵「みかんとひよどり」(角川文庫)が面白そうだったので、読んでみました。
(カバー裏面にある本書の紹介)
(目 次)
(近藤史恵さんの紹介)
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。以来、細やかな心理描写を軸にした質の高いミステリ作品を発表し続ける。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。ミステリばかりでなく、レストランや料理を題材にした作品『マカロンはマカロン』など著書多数。
(感 想)
レストラン・料理関係の『ビストロ・パ・マル』シリーズが著者にはあって、淡いミステリ仕立てのストーリーと相まって、面白かったので、本書も期待して読み始めました。今回の「みかんとひよどり」も事件は起こるのですが、基本は猟師とレストランのシェフの物語です。
猟師の大高にシェフの亮二がいろいろと教えてもらいながら、ジビエとジビエ料理に詳しくなっていく様子や、大高と亮二の犬の描写など、テンポよくストーリーは進み一気に読ませます。ただ、ジビエには、読者の多くは馴染みがないので、登場する料理にはピンとこないかもしれません。
長野県内では、鹿が増えていて、農業被害に対する対策も行われていますが、増えるスピードが速いだけになかなか対応が難しいようです。京都府を物語の場所としていますが、そういう現状を踏まえて書かれているのも印象に残りました。
【参考】
近藤史恵著『マカロンはマカロン』に関する拙ブログの記事へのリンク