山口惠衣子著「ゆうれい居酒屋」が面白かった(感想記事へのリンク)ので、この作家に興味をもち、長編を読んでみようと、松本清張賞受賞の「月下上海」を購入しました。
(表紙)イラストは、加藤木麻莉さんによるもの。
(著者の紹介)
松竹シナリオ研究所を卒業したのが35歳で、2007年に「邪険始末」でデビューしたときは50歳という遅いスタートでしたが、「食堂のおばちゃんシリーズ」や「婚活食堂シリーズ」が人気となっているようです。
(帯裏にある本書のあらすじ)
(感 想)
第二次大戦下の上海を舞台として、財閥の令嬢で画家の「多江子」が巻き込まれる事件を主軸としてストーリーが進み、スリルに富んでいました。ミステリの要素もありますが、人間同士のドラマがそこに絡みます。
細部の記述もありますが、物語の場面転換が早いので飽きません。さらに、当時の上海の街の様子や風俗についての記述が、目の前に現出するかのように書かれていて感心しました。
上海の情景に加え、多江子の服装についても詳細に描かれていて、文章だけでなく映像で見てみたい作品です。エンターテイメントとして面白く、他の著作も読みたくなりました。
(次に読むつもりで購入した山口惠以子著「婚活食堂1」)