Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

手技ミス

2016年07月22日 07時57分47秒 | Weblog
<慶大病院>「ミスで脳に障害」5歳女児と両親が提訴
 「慶応大病院(東京都新宿区)で心臓手術を受けた女児に重い脳障害が残ったのは病院側のミスが原因として、女児と両親が21日、病院を運営する学校法人慶応義塾に約2億円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。」

 本人・ご両親には気の毒だが、手技ミスを中心に過失を構成する限り、患者側が勝訴する確率はゼロに近い。くどいようだが、裁判所が過失をまず認定しないからである。
 ① 「管をあるべき場所に挿入しなかった」という過失については、「あるべき場所」の特定がそもそも難しいし、「あるべき場所」に挿入すれば結果が発生しなかったという因果関係の立証も難しい。これはまず無理である。
 ② 「脳の血流を計測しながら手術するなどの注意義務」については、心拍数や血圧に加えて脳の血流を計測しながら手術をすることが医療水準として確率されているとはいえないのではないかと思われる。もちろん、因果関係の立証も難しい。
 ③ 説明義務違反(脳障害のリスクも事前に説明されなかった)については、通常、「手術の同意書」には、「●●●などの合併症のリスクがあります」と記載されており、脳障害は合併症であると主張されてとん挫する可能性がある。仮に説明がなかったとしても、結果発生との因果関係が否定されるケースが殆どのようであり、その場合、数十万~100万円程度の慰藉料しか認定されないことが多い。
 こういう風にして、泣寝入りを余儀なくされる患者が多いのである。
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