「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る『君の名は。』ヒットの要因
(※本記事には『君の名は。』のネタバレが含まれます。ご了承の上でご覧ください。)
「でも、「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ! オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。」
なるほど、確かに、理解力が不足していると、単なる純愛ものとして観てしまうアニメである。
ちなみに、オペラにも「ナクソス島のアリアドネ」というのがあって、崇高な愛も俗物が見れば浮気女の気まぐれに映ってしまう。
岡田氏の解説は見事だが、「話としては一つの円環の中に入っているようで、同じことの繰り返しなんです。」というのには異論がある。「糸」の構造、隕石の落下位置やストーリー展開から見て、同一の事象が繰り返される「円環」ではなく、世界の「螺旋」的構造が中心的なテーマなのではないかと思うのである。
もう一つのテーマは、題名からもわかるとおり、「名づけと記憶」であり、これについては作品を観るのが一番である。
(※本記事には『君の名は。』のネタバレが含まれます。ご了承の上でご覧ください。)
「でも、「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、そこで一念発起して、「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ! オラァ、作った! ほら、バカが泣いてる!」っていうのが『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。」
なるほど、確かに、理解力が不足していると、単なる純愛ものとして観てしまうアニメである。
ちなみに、オペラにも「ナクソス島のアリアドネ」というのがあって、崇高な愛も俗物が見れば浮気女の気まぐれに映ってしまう。
岡田氏の解説は見事だが、「話としては一つの円環の中に入っているようで、同じことの繰り返しなんです。」というのには異論がある。「糸」の構造、隕石の落下位置やストーリー展開から見て、同一の事象が繰り返される「円環」ではなく、世界の「螺旋」的構造が中心的なテーマなのではないかと思うのである。
もう一つのテーマは、題名からもわかるとおり、「名づけと記憶」であり、これについては作品を観るのが一番である。