森会長 理事の五輪「延期」発言に不快感
「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は11日、高橋治之理事がアメリカの有力紙に、「開催を断念する場合、1~2年後に延期することが最も現実的な選択肢だ」との考えを示したことに対し、「とんでもないこと」と不快感を示した。」
3月12日のニュースだが、この時点で森会長は、延期論に対し「不快感」をあらわにしていた。
このとき私が意外だと思ったのは、ニュートラルな立場からの発言、つまり、「情勢をよく見極めながら、多くの方の意見を聴きつつ、適切に判断したい」というたぐいの発言ではなかった点である。
ところが、昨日になって、森会長は延期を容認する見解を示した。
この一見矛盾するかのような言動を、どう理解すればよいのだろうか。
今になって考えると、3月12日の「不快感」発言には、明確なメッセージがあったと思われる。
まず考えられるのは、「延期は既定路線だが、これを自発的に決定するのではなく、延期の「空気」が「上から降りてくる」のを待っていた」というもので、併せて高橋理事その他の関係者に対してフライングを戒める意味を込めたというものである。
こんな風に、討論して決めるのではなく「空気」を醸成するというのはいかにも日本的だが、政治家が好むやり方でもある。
案の定、その後の報道を見ると、延期論はIOCや諸外国から降ってきたように見える。
もう一つ考えられるのは、「どうしても今年開催したい」という勢力に対する「ガス抜き」というものである。
今年オリンピックが開催されないと経営がもたないという企業などがあるはずで、森会長は、そのような企業等のことを慮って、ひとまず延期論に反対の意思表明をしておかないといけないと考えたのかもしれない。
「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は11日、高橋治之理事がアメリカの有力紙に、「開催を断念する場合、1~2年後に延期することが最も現実的な選択肢だ」との考えを示したことに対し、「とんでもないこと」と不快感を示した。」
3月12日のニュースだが、この時点で森会長は、延期論に対し「不快感」をあらわにしていた。
このとき私が意外だと思ったのは、ニュートラルな立場からの発言、つまり、「情勢をよく見極めながら、多くの方の意見を聴きつつ、適切に判断したい」というたぐいの発言ではなかった点である。
ところが、昨日になって、森会長は延期を容認する見解を示した。
この一見矛盾するかのような言動を、どう理解すればよいのだろうか。
今になって考えると、3月12日の「不快感」発言には、明確なメッセージがあったと思われる。
まず考えられるのは、「延期は既定路線だが、これを自発的に決定するのではなく、延期の「空気」が「上から降りてくる」のを待っていた」というもので、併せて高橋理事その他の関係者に対してフライングを戒める意味を込めたというものである。
こんな風に、討論して決めるのではなく「空気」を醸成するというのはいかにも日本的だが、政治家が好むやり方でもある。
案の定、その後の報道を見ると、延期論はIOCや諸外国から降ってきたように見える。
もう一つ考えられるのは、「どうしても今年開催したい」という勢力に対する「ガス抜き」というものである。
今年オリンピックが開催されないと経営がもたないという企業などがあるはずで、森会長は、そのような企業等のことを慮って、ひとまず延期論に反対の意思表明をしておかないといけないと考えたのかもしれない。