Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

12月のポトラッチ・カウント(3)

2024年12月23日 06時30分00秒 | Weblog
令和6年12月文楽公演 ●第二部 (午後2時30分開演)●
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
 熊谷桜の段
 熊谷陣屋の段
 

 第二部の1本目は、「一谷嫩軍記」より、熊谷桜の段と熊谷陣屋の段である。
 ちなみに、熊谷陣屋の段は、正月の新春浅草歌舞伎で上演されている(「周辺」からの逆襲(3))。
 なので、ポトラッチ・ポイントは5.0で確定なのだが、それにしてもストーリーの酷いこと!
 「熊谷桜の段」では、藤の局が相模に対し、露骨な échange を持ちかける。

藤の局「なんと相模。以前に御所で職場恋愛の不義が明らかになって、佐竹次郎とお前を牢に入れよとの帝が決定されたな。それを私がなだめて、夜のうちに逃がしてやったのを覚えているか。
相模「も、もちろん。その時の御恩は、どうして忘れるはずがあるでしょうか。
藤の局「では、その恩を忘れてないというなら、助太刀してお前の夫の熊谷を私に討たしてくれ。

 藤の局は、相模に対し、「過去の恩を忘れていないなら、助太刀して相模の夫=熊谷を殺させよ」と迫る。
 相模は拒絶できる立場にないのだから、これは強要である。
 この種の、「恩着せ」と「恩返し」に名を借りた”ゆすり、ゆすられる”関係が、武家の社会には蔓延していたのだろう。
 そもそも、「一枝を伐らば、一指を剪るべし」という言葉自体が、レシプロシテ原理の露骨な表現なのだった。
 案の定、「熊谷陣屋の段」では、義経までが、弥陀六から受けた「旧恩に報いる」ため、敦盛の首を忍ばせた鎧櫃を与えるのである。


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