ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 Op.90
ショパン:ノクターン第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
ブラームス:4つのバラード Op.10
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14
ショパン:ノクターン第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
ブラームス:4つのバラード Op.10
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14
<アンコール曲>
ショパン:マズルカ イ短調Op.67-4
プロコフィエフ:オペラ「3つのオレンジへの恋」より<行進曲>
ブラームス:ワルツ第15番 Op.39-15
3年前はバッハに似て見えたキーシン(誰かに似ている)。
だが、今回、ヴィジュアルがだいぶ変わっていた。
客席からあがったのは、「やせたね~」という声である。
そう、ダイエットしたのだろうか、胴体がほっそりとしており、顔などは骨ばって見えるようになったのである。
もっとも、これまでが肥満レベルにあったと思うので、これはよいことなのだろう。
彼を横や斜めから見ると、バッハではないが、見たことのある音楽家に似て見えてくる。
27番のソナタを弾き始めた彼は、なんだかベートーヴェンに似て見えるのである。
演奏スタイルにもやや変化があるように感じる。
鍵盤に覆いかぶさる場面が多く、唸り声も聞こえる。
「鼻歌派」に転向したようなのだ。
続くショパンの2曲は、和音が”割れない”見事な演奏で、前回(3年前)と同じく、ショパンを極めつつあるという印象を抱いた。
ほかのピアニストだと、どうしても和音が”割れて”聞こえてしまう曲なのだが、パワーで押し切ったようだ。
後半のブラームスはやや退屈なメロディーで、お客さんもおそらく眠くなった人が多いと思うが、ラストのプロコフィエフ・ソナタ第2番は躍動感あふれる演奏で目が覚める。
不協和音だらけでダンサブルなメロディという、プロコフィエフらしい曲で退屈しない。
アンコールでは、日本語で曲を紹介するという、これまで経験したことのない場面を見ることが出来た。
3年ぶりのキーシンは、心身ともに充実した状態をキープしているという印象で、安心する。