ストラヴィンスキー/バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)*
ウェーバー/歌劇『オベロン』序曲
ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容
〈ヒンデミット生誕130年〉
ウェーバー/歌劇『オベロン』序曲
ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容
〈ヒンデミット生誕130年〉
珍しい取り合わせ。
前半のストラヴィンスキーと、後半のウェーバー&ヒンデミットの共通点がなかなか見つからない。
「ペトルーシュカ」については、
「首席指揮者アンドレア・バッティストーニは、『春の祭典』『火の鳥』と取り上げてきたストラヴィンスキーの三大バレエを『ペトルーシュカ』で締めくくる。」
という従前からの流れなのだが、ヒンデミットの方は、今年生誕130年なので、この機会に取り込んだのだろうか?
ストラヴィンスキーとヒンデミットについてあえて共通点を見つけるとすれば、「アメリカに亡命したこと」くらいだろうが、今回の選曲に限れば、「ゆる~い感じで聴きやすい」という点も挙げられる。
さて、首席指揮者:アンドレア・バッティストーニの説明は?
「まず、ストラヴィンスキーとヒンデミットを結び付けた理由についてこう述べる。「この二人は、20世紀前半にヨーロッパの調性音楽が変化していくなかで、同時代や後世の音楽家たちに大きな影響を与えたことや、輝かしいオーケストレーションなど共通点があるからです」。」
「アメリカ時代の1943年に作曲された『ウェーバーの主題による交響的変容』はあまり演奏頻度が高いとはいえないが、熟達した作曲技法と独自の和声理論を駆使した名作だ。「今日一般にストラヴィンスキーに比べてヒンデミットの知名度が低いのは作品に晦渋な印象があるからでしょう。でもアメリカへの移住を契機としてひろく大衆に向けた音楽を書くようになりました。『ウェーバーの主題による交響的変容』も比較的聴きやすい」。」
やはり、”共通点”の方は首をかしげざるを得ない。
だが、ヒンデミットに関する説明は腑に落ちる。
というのも、2楽章の「トゥーランドット」のくだりなどは、東洋風のメロディをジャズ調にアレンジしていてユーモアを感じるからである。
「難解な作風の作曲家」という先入観にとらわれて敬遠してしまうのはもったいないということなのだ。