Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

カイシャ人類学(16)

2022年05月15日 06時30分24秒 | Weblog
『悪女(わる)』、社内恋愛に疑問の声「下に見てる」「失礼だな」主人公のセリフが物議
 「「麻理鈴の発言は、言い換えれば“外で恋愛する暇がないから手っ取り早い社内の人と恋愛している”というもの。実際ラストでは、残業禁止ルールが改めて徹底された課内で、付き合っていた課内カップルが別れたことが明らかになっていました。しかし、この発言にネット上からは『今、社内恋愛してる人に失礼だな』『忙しいから身近で恋せざるを得ないって違くない?』『社内、社外で都合よく恋愛してる人ばかりじゃない』と違和感を指摘する声が続出していました」(ドラマライター)

 「タテ社会の人間関係」(初版は昭和42年)の頃は一般的であった「丸抱え」も、今や一部の企業にしかみられないようになったようだ。
 「丸抱え」する余裕も乏しくなってきたということなのだろう。
 さて、上に引用した麻里鈴発言への批判は、彼女のセリフの一部を切り取ったもので、当を得ていないと思う。
 次のセリフが見落とされているのではないだろうか?

麻里鈴「オフィスラブが減らない理由分かっちゃいました。・・・楽しすぎるんです、仕事が。仕事は仕事、人生の一部なのに、大事なこと忘れちゃう・・・。

 人間は、おかれた環境に慣れるように造られている(「愛することに慣れている」:翻訳の工夫)ので、どんなに過酷な職場であっても、またどんなにつまらない仕事であっても、そこで長時間過ごしていると、やがてその環境(仕事そのもの、あるいは一緒に仕事をする人たちなど)を愛するようになる。
 おそらく麻里鈴が言おうとしたのは、これこそが社内恋愛が減らない理由の最たるものだということであり、正論だろう。
 実際、職場不倫が原因の離婚事案を見ても、やはり長時間労働の会社が多い。
 妻に離婚を告げるときのセリフが、「彼女(不倫相手)がいなければ、この厳しい仕事に耐えられなかった」だったという事案もある。
 これは一種の依存症なのだが、私が見た極端な例では、転勤する先々で社内不倫を起こしてしまうエリートサラリーマンもいた。
 要するに、(一部の)社内恋愛と仕事への依存症(ワーカホリック)には、共通の原因があるというわけである。
 営業四課の課長:三島(山口智充)(ぐっさんは一時期露出が減っていた印象だが、元気な姿を見て安心した)は典型的なワーカホリックで、その原因について、10年前に離婚した妻はこう指摘する。

 「この人は、仕事イコール人生なのよ。・・・不安なだけよ。怖いの、休むことが、孤独が・・・・。

 ワーカホリックの場合には、前述の「環境に慣れてこれを愛するようになる」本能に加え、どんな人間にも備わっている群居本能が、孤独への不安・恐怖、つまり「いつも集団で何かをしていないと不安で恐怖すら感じる」心理を作り出してしまうというのである。

 

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