「ショパンコンクール第3位のケイト・リウと第4位のエリック・ルー。ソリストとして世界を転戦する2人がワルシャワ、シンガポールに続いて東京で再会します。」
《連弾》
F.シューベルト:アレグロ イ短調「人生の嵐」D.947 Op.144
F.シューベルト:幻想曲 ヘ短調 D.940 Op.103
《2台ピアノ》
W.A.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448
F.ショパン:ロンド ハ長調 Op.73
<アンコール曲>
J.S.バッハ:「神の時こそいと良き時」BWV106(G.クルターグによる4手ピアノ編)
ブラームス:「16のワルツ」より第15番変イ長調op.39-15
10年前(2015年)に開催された第17回ショパン国際ピアノ・コンクールの第3位&第4位入賞者のデュオ・リサイタル。
「コンサートの舞台袖でできた、嘘のような公演だ。「ケイト・リウから、日本に行きたいけれど、以前自分を呼んでくれたエージェントに5年間いくらメールを送っても返信がない。」と、お金儲けの下手な小さなマネジメントの社長が言った。「そんなに来たいなら呼んじゃおう。」次の日には、もう日程が決まるというスピードで話が進んだ。更に、神奈川公演のために来日予定のエリック・ルーの日程を動かして、デュオ・リサイタルを作ってしまうことになった。ひょうたんから駒とは、まさにこのことだ。」(公演チラシより)
このホールは天井が高くて響きが良く、ピアニストの評判も良いらしい。
そこでもって連弾と2台ピアノによる演奏がなされるので、音量だけでも凄まじい。
前半のシューベルトは、晩年の彼の熱情と悲哀が注入されたかのような2曲だが、後半1曲目のモーツァルトは幸福感溢れる華やかな曲で、二人の亡くなり方の違いを反映しているかのようだ。
すなわち、モーツァルトは長く苦しむことなく亡くなったのに対し、シューベルトは晩年長らく病気と闘いながら作曲を続け、その末に亡くなったという違いである。
ちなみに、モーツァルトの死因については毒殺説もあるが、「リウマチ熱説」が有力なようだ(モーツァルトは毒殺されたのか?)。
ラストのショパン:ロンドハ長調は、ショパンが18歳の時ピアノ独奏用に作ったものが、1828年に2台ピアノ用に編曲されたもの。
若々しさと希望に満ちているのは当然だろう。
アンコール曲はいずれも穏やかな曲で、家が近ければそのままベッドに入ってしまいたい感じである。
・・・ところで、今年開催されるショパン・コンクールの予備予選進出者が発表された(第19回ショパン国際ピアノコンクール予備予選出場者 発表!)。
日本からは亀井聖矢さんら24名が出場するが、中国からは何と67名も出場するらしい。
10年前のファイナルで審査員のフィリップ・アントルモン(中学時代から私の大のお気に入りで、サイン入りCDも持っている)がチョ・ソンジンの演奏に「1点」を付けたときのような露骨な採点がなければ、日本人初の優勝者が誕生するかもしれない。