「オイディプス」や「アンティゴネー」の作者であるソフォクレスは、息子のイオポーンから「父は認知症である」との理由で訴訟を起こされたという(「アンティゴネー」p148)。ソフォクレスが孫を余りにも可愛がるのを嫉妬したイオポーンによる不当な訴えだったようだが、これに似た事件は現在でも起こりうる。
私がみた事件では、母を自宅に引き取ってその財産管理等を行っている娘に対し、その弟が、「母は認知症である」との理由で後見を申し立てたという事案があった。姉の方は、「母は認知症ではない」と主張したのだが、鑑定が実施されることとなり、後見相当と判断された。
ギリシャ悲劇を読んでいても、思わぬところから現実の世界に引き戻されるのである。
私がみた事件では、母を自宅に引き取ってその財産管理等を行っている娘に対し、その弟が、「母は認知症である」との理由で後見を申し立てたという事案があった。姉の方は、「母は認知症ではない」と主張したのだが、鑑定が実施されることとなり、後見相当と判断された。
ギリシャ悲劇を読んでいても、思わぬところから現実の世界に引き戻されるのである。