季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

古今東西

2015-08-19 22:36:51 | 旅 Journey
この夏は夫の夏休みが読めなかった。
この日も直前に言われて。朝起きてからどこかに行こうかと。
それで水着を用意して鳴門に行こうと言う話に。
で、行ったら雨。聞いてたけどやっぱり。

前から行きたかった大塚国際美術館に行く事に。
なんでも絵は陶器に焼き付けたもので、全部本物ではないと言う話からなかなか行く事にならなかったんだけど、とうとう。
クリニックの水彩の先生がすごく褒めていたので一回行って見たいと思っていた。

美術館は山をくりぬいて5階建てで出来ている。地下3階から地上2階まで。
エスカレーターを登りながらワクワクする。

       

地下3階でいきなり一番観たかったシスティーナ礼拝堂にばったりと出くわした。
広いなあすごい迫力だなあ。
それでもこれは神様のいない空間。あくまで美術品としてのコピーとしての作品。
それはわかってるんだけど、やっぱり実物と同じ規模で同じようにあるので、感じ入るものがある。
じっと観る。

建物全体を観てみると。下の方が古代で上の方が現代らしい。それで上から観る事にした。
とにかく数が多い。あらゆる美術館のあらゆる名画がここにある。ひしめき合っている。それは悪い言葉で言ったら「節操がない」と言うのがふさわしいと思えるほどの豪華さ。どれも元の絵と同じ大きさで迫力で展示されている。

クリムトやパウル・クレーなど元の絵を何回も観た事がある好きなものは、やっぱりちょっと違うなあと思ったり。
それでも油絵の凹凸まで再現していたりして「おおっ!」と思うものもたくさん。特にPOPなものは元のと変わらなかったりしてこれはこれで、って思える。
と言うのもこの絵は今後2000年は変わらずこのまま存在できる。何しろ陶板なので。
ここの絵を観てピカソの子孫が喜んだと言う話。そう、ゲルニカも実物大。かなりの迫力。

たくさん観て行くとわかってくる。どんな絵がこの陶板にふさわしいのか。私が思ったのはきれいな女性の肌が生きる作品はとっても良いと言う事。
まさに陶器のような肌に仕上がっていて魅力的。引きこまれる。

降りて行くにつれ、宗教画が増える。そうだな。西洋の美術と言えば中世より前は全部宗教画。その量と質に驚く。
受胎告知の部屋がある。有名な受胎告知の絵を原寸大でここまで再現したものを一度に観れる所は他にないと思う。
ちょっと歩くとグリューネバルトの部屋やラファエロの部屋など。そして有名な教会の内部を再現したところがまたいくつも。
キリストの絵だけでもどれだけあるんだろう。普通だったら飛行機に長い間乗って、そこからも長い長い旅をして、田舎の教会でやっと観れると言うような絵がこの場に。
そう言うのが並んでひしめき合っている。
キリスト教徒の人たちはこれを観て大丈夫なのかな?ってちょっと気になるくらいだった。
私たちで言ったら「薬師寺の日光月光菩薩像の横に秋篠寺の伎芸天、その向かいに室生寺の十一面観音」てな具合にレプリカが並んでるのと同じなんだと思ったらちょっと複雑だなあと。例えば各寺の四天王ばかりを集めて並べてるとか。
まあでもそんなこと考えないようにして観て歩いていると、本当に興味深く凄い展示なんです。

地下二階で再び目の前にシスティーナ礼拝堂が。天井画が少し近く見える。
観てるとなんだか正面の絵が立体になってふわ~っと動いているように見える。青の深さと絵柄の配置からだと思う。下からと上からの動きで揺れているように。

       

昼過ぎに入って、休憩もまともにしないでずっと観てて、それでも一番下の階は飛ばして観ないといけなかった。五時の閉館までに全部観れなかった。すごくおもしろそうだったのに。
これからって時に退場になって。心残り。今度は下の階から観て行きたい。今度は一日時間を取って。
陶板とあなどるなかれ、百聞は一見にしかず。美術好きの人は資料として観るだけでもかなりの価値があると思う。近づいて観れるし。

大塚製薬、すごいことしてくれました。とてつもない。あっぱれ!







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