明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ギターを分解したり、弦の高さを調整するための極小レンチを、ホームセンターに買いにいったりしていると、ネットで注文しておいたギターの教則DVDが届く。過去の黒人のブルース系ミュージシャンの奏法を、現役のミュージシャンが解説している輸入品で、以前ネットで注文したら在庫がないとか、注文がまとまったら発注するとか、ややこしいのでキャンセルしたことがあったのだが、他をあたっても情報がないので、時間がかかってもいいからとあらためて注文すると、たまたま注文数に達していたのか4日で届いた。 自己流ではさっぱり上達せず、かといって人に習うのは気疲れしそうだし面倒でもある。以前、某有名ハーピストのレッスンを受けた知人から、腹筋の使い方を教えるためか、腹に乗られた話を聞いたことがあるが、半分飲み会の笑い話だったとはいえ、そこまでして習いたくはない。ネットで検索してみると、あらゆるジャンルの教則ビデオ、DVDが出ていて、有名ミュージシャンが丁寧に教えている。これはいいと、探してみたが、目当てのミュージシャンの教則DVDは輸入物しかなかった。日本語で翻訳されたテキストが入っているわけではなく、使われるコードなどが簡単に書かれている小冊子が付いていた。たった1時間足らずのDVDなのに、タイトルには5曲も書かれている。随分端折っていることは想像がつくのだが。 登場するのは白人のミュージシャンで、後継者といわれるくらいの人物らしいが、イントロの、ご挨拶がわりの演奏を聴くと、音色はともかく、なるほどよく似ている。本題に入ると、手元のアップが映され、まず使われるコードの解説である。ところがこの男、そうとうな大男でギターのネックが細くみえるが、ジャズっぽい複雑なコードのせいもあり、指が太くて、いったいどの弦を押さえているのかサッパリ判らないのである。あとで冊子を見て確認するしかない。肝心の奏法の解説だが、曲数を考えると、どういう展開になるのかと思ったら、結局ほとんど、サングラスをしてスーツで決めた男が、陶酔の表情で嬉しそうに研究の成果を披露するのを、ただ眺めるハメになる、というものであった。演奏が終るたび、終ったよ、という感じにカメラのほうを見るのが腹が立つ。金返せ、とはこういうことである。

01/07~06/10の雑記
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