明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



寝床に本を敷いて寝心地悪くして睡眠時間を削る作戦よりも、モニターの前の椅子の方が寝心地悪く、三時間で目が覚める。これを数日続けた。毎回、作業中のデータをしかるべきフォルダに保存するところ、眠くてどこか判らないが、とにかく保存をクリックしたぞ、というところで意識がなくなる、という有様であった。 何が難航していたといって、仇討ちを願っていた河童の三郎が、人間達の奉納の踊りにより、大喜びで大逆転。機嫌をなおすカットである。鎮守の杜の動物達も総出演し、何か炸裂したような場面を作らないと、話の大半を腕を折られて仇討ちを熱望していた三郎が急転直下、機嫌をなおして郷に帰っていくのが唐突に過ぎる。その大逆転のページにいたる前のページも、いきなり感を出さないために、頂点に向かい、すでに離陸していなければならない。そこで一度没になったカットを持ち出し、大逆転に備えた。最終カットはどんよりした曇天の中、カラスとともに三郎が飛び去っていくモノトーンのカットである。大逆転のページからモノトーンに至る前に、三郎が機嫌をなおしたことを示す表情も必用である。 先週の打ち合わせの段階では、プランが浮かんでいなかったが、寝不足のボンヤリした頭のおかげか打開策が浮かんだ。1カット物撮りを残し5時に風濤社へ。歯抜けの状態がすべて埋まる。 私は出版に関しては、小さな出版社が集まる本郷の出版社しか知らないが、アルコール類は潤沢に常備している。潰れてしまった一冊目の出版社では、始めて出かけていったら、ジャージをはいた社長がコンビニの寿司のパックを机に並べ、紙パックの焼酎にやかんのお湯で「どうぞ」。かなり驚いたが、もともと山賊タイプの私には違和感はない。ようやく全体像も見えてきたので途中から焼酎をロックで勝手にやった。編集者の話では、この調子だと、9月予定であった出版も8月に早まるかもしれないとのことであった。

ほんの部分。出演者の御三人初公開。

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