明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 




寒山拾得図というと、国立博物館収蔵の織田信長旧蔵の道釈人物画で知られる顔輝作が一番だろう。あくまで伝であり顔輝作ではない、という説もあるらしいが、名品であることは間違いない。例のアルカイックスマイルではあるが、グロテスクが過ぎず、発するものも違う。もう一品、顔輝作品で有名なのが『蝦蟇鉄拐図』である。鉄拐仙人と蝦蟇仙人は、日本でも散々模写され、様々描かれて来た。しかしこの二人が、ペアで描かれた理由が良く判らないらしい。何だそれは?という話しだが、そこがまた禅画のモチーフらしく、そもそも寒山拾得自体が良く判らない話である。どちらかというと何でそうなる?ということにこだわる私だが、これらのモチーフに関しては、私の何かが気にするな、といっているので気にしていない。この歴史ある描き継がれてきたモチーフを制作し、その末席にただ座ってみたい。腹の中では『だけど私のは写真だけど。』と思うだろう。 2月に入ったら豊干を作るといいながら、ああだこうだ腹の調子が、とかいってまだ始めない。今始めると、朝始めて夕方にはそれらしい頭部が出来てしまいそうである。こんな時は避けたい。
 
 


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