明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『慧可断臂図』の慧可乾燥に入る。弟子入りを願い出て、達磨大師の前で左腕を切り落した慧可は、雪舟作では流血もしていないし、左腕を進物のように持っている。もちろんこんな事実はないだろう。これが当時、どれだけ知られたエピソードだったのだろう。私は慧可にはいくらか頭を下げさせ、その代わり哀し気な表情はむしろ無表情に抑えた。膝から下は積雪に埋もれさせ、切断に使用した剣は傍の雪に突き立て、点々と僅かに流血させる予定である。 それにしてもこんなシチュエーションを描くのは実に面白い。小学校の学芸会で我慢比べして大便を漏らしてしまう大国主命の紙芝居を作ったくらい面白い。何だか数十年の時を経て、帰って参りましたの感がある。達磨大師の座禅する岩窟は、実写にするか作って撮影するかは未定。

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