明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私が初めて小学四年頃買って貰った大人向けの単行本『一休禅師』に載っていたのが、曽我蛇足作の一休像であり、日本画定番の斜め45度の肖像画であったが、普通正面をまっすぐ見る目が、こっちを見ていて、これがいかにもわざわざしゃれこうべを竹竿に掲げて、“目出度くもあり目出度くもなし”と京の街を歩きそうに、子供の私には見えた。目出度くもあり目出度くもなし、にはいたく感心した。 現在は脱落しているが、一休の髪、髭を植えたという、リアルな木像も残っている。こちらはいくらか吊り気味の小さな目で、若干印象は違うが、人の顔はそんなものであろう。私はどちらも一休和尚の実像を伝える物と判断し、共に参考にした。この一作のつもりが、一休和尚酔臥図を作ることになりそうだが、これは一作目の続編、または連作となることになり、先程まで、家々の軒先に迷惑にも差し出していたしやれこうべ共々道端に寝込み、結果的に副題とする”世の中は起きて稼いで寝て食って後は死ぬのを待つばかりなり“ というオチにつなげたい。しかしあくまで死んでいるのではなく、酔い潰れているように見えなくてはならないだろう。



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