無学祖元に刃を向ける蒙古兵という場面を作りたいのだが、すでに蒙古兵の頭部は出来ているのでいつでも出来る。この蒸し暑い時に、もう少し盛り上がりたい。そこで、思っていた以上に私に影響を与えていた一休宗純にしようと決めた。竹竿にシャレコウベとシャレコウベを枕に酔い潰れる一休に加えて、権威などこの朱鞘の竹光のように役に立たない、と恐ろしく長い刀を持って歩き回ったという。正装で座り、傍に朱鞘の刀が立て掛けてある作品が残っているが、私は乞食坊主の状態の一休を考えている。それにしても殆どの時間を被写体制作に費やしている。おかげで主役は写真家ではなく被写体だ、と自信を持っていえるが、私に生来的に甚だしく欠けていたのが忍耐力だが、おかげでこんなことをすることになった。つくづく上手く出来きたストーリーである。 ホームの母と面会する、脱水症で入院前は食欲もなく痩せてボンヤリし、これは長くない、とどこかで覚悟したが、いくらかふっくらし、喋るようになってホッとした。必ず今何を作ってるの?と聞く我が母である。