明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『日曜美術館』甲斐荘楠音。以前観たのが26年前だと知った。当時〝穢い絵”と土田麦僊に酷評されたことが強調されていたような記憶がある。 久しぶりの制作。私が創作行為によって快感物質を溢れさせるには〝素晴らしい作品”を目指しても溢れない。甲斐荘も〝穢い絵”でないと溢れなかっただろう。 という訳で、宗時代の中国、一人坐禅している無学祖元。そこへ蒙古兵が現れ喉元に剣を突き付けるが、無学祖元微動だにせず『珍重大元三尺剣、電光影裏斬春風』(ありがたく大元三尺の剣を受けよう。私は春風。斬れるものなら斬ってみよ)と漢詩を詠むと蒙古兵は退散する。縦長の画面に、上部に筆書きされた件の漢詩を配したい。 ロクロ台の上の蒙古兵。ペト、ペト、ペトと粘土を盛り付けながら〝私はいったい何でこんな物を作っているのだろう?” すると筑波山の、四六の蝦蟇の油の如き物質がタラ〜リタラリと溢れ出すのであった。



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