明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


午前中『タウン誌深川』の原稿を書く。制作中の坊様の話ばかりでも、と岐阜の製陶工場に就職した二十歳の頃のことを書いた。目指す陶芸家への道があまりにも遠く、酒を飲んで田んぼに落ちたりしていた。目標だ、道だ、なんて遠い先を考えてるから田んぼに落ちるのだ、とあの時の私に言ってやりたいが、私のことは私が一番判ってる、と思っていた私に何をいっても無駄であろう。 それにしても翌日、なんで工場の人達は私が田んぼに落ちたことを皆んな知っていたのか?恐るべし田舎のネットワーク。田んぼに落ちたのあんたが始めてだよ、と屋台のオヤジにいわれたが、これでは酔っ払ってフラフラなど出来ない。あの閉鎖性は、金歯剥き出して笑う、工場の配送係のオバチャンがだんだん可愛らしく見えて来るという恐ろしさであった。 『俺たちの旅』の再放送。とても今は見れないが、ゲストが大宮伝助なので見た。就職が決まらない中村雅俊。悩み落ち込み実家へ。戻って来いと迎えに来る田中健。「俺は行き当たりばったりなんだよ!」と中村。これを観ていた当時、還暦過ぎて、この就職が決まらない学生と同じことをいっているとは夢にも思わなかった。しかも奴と違って前を向いていっている。



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