明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ペーパーをかけながら、きっと来年の今ごろも、まさかこんなものを作るとは思わなかった、といっているんだろうな、と思った。行き当たりばったりの、とんだ風船野郎であるが、長い予定など立てず、目の前の、今作るべき物を作る。これこそが死の床で、アレを作りたかった、コレを作るんだった、と後悔に身をよじる可能性を低めるコツである。何故これほど恐怖を感じるのか。理由に気が付いた。 亡くなった父が、何度目かの入退院を繰り返していた時、今回も危なかったが、ガリガリになりながらも、なんとか退院をして来た。夕方、実家に帰ると、父はスポーツ新聞を読みながら、水戸黄門を観ていた。その姿にショックを受けた。この期に及んで他にすることないのか?! しかしそのおかげかどうか、本日が人生上の最突端だと思えている。何が良いといって、過去のあらゆる失敗、間違っていたであろう決断も、今に至る一要素であると思えることである。制作することにより湧き出る、例の快感物質に単に酔っているのであろうか?

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