明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



日本人で最初に影を描いたのが英一蝶とは。そのくらいやらかしても不思議ではないが。太鼓持ちで絵師というのもユニークだが、何かが過ぎて島流しになる。流された島でもずいぶん絵を描き、稼いだらしい。私には呆れついでに笑わせたい、というところが押さえがたくあるので、一蝶のユーモアが好きである。往来で、酒屋の前で酔い潰れている『一休和尚酔臥図』 を見て、一休を酔い潰れさせても良いのか。とすでにシャレコウベを竹竿に掲げた一休は作ったので、京の街を〝御用心“と歩き回ったその晩、シャレコウベ枕に酔い潰れてもらった。背中の火焔を濡れないように傍に置いて滝に打たれる『不動図』も取り掛かる寸前まで行きながら、絵に見えるといってもこちらは写真。水の表現に打開策がなく保留中である。 制作中の雲水姿の一休の足元に、犬や乞食や夜鷹を配したいというのも、犬や馬、芸人や武士までもが、ある屋敷の軒先で一緒に雨宿りしている『雨宿り図屏風』の影響である。島流しから許され身を寄せた一蝶寺は江東区内にあり、松尾芭蕉との交流があったという。

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