明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



予定としては、次も寒山拾得を推し進めるつもりでいたはずが、本格的禅を日本に伝えるために来日した渡来僧を2人作ることになった。大覚禅師こと蘭渓道隆の立体像は、私の知る限り建長寺に2体、他2体ある。いずれも亡くなった後に作られているが、建長寺の2体を含め、いずれも顔が別人のように違う。数百年間に及ぶ伝言ゲームのようである。まさにドラマ『ミステリと言う勿れ』で菅田将暉の久能整君がいっていた、人は主観でしか物事を見ることは出来ず〝真実は人の数だけある“である。そう思うと、生前描かれ、本人が賛を書いている、本人お墨付きといえる国宝の肖像画が最も〝事実“に近いはずだと思えた。だとすると、それを立体化し、正面を向かせることが出来れば、蘭渓道隆の死後七百数十年ぶりに、真正面の顔を見られるのではないか?もちろんこれも私の真実に過ぎないけれど。そうこうしていたら、昨年、横尾忠則さんが、まさかの『寒山百得展』で風狂の精神を実践され。私の寒山拾得の続きはまたいずれ、ということに。


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