夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ファーストキス 1ST KISS』

2025年02月10日 22時59分07秒 | Weblog

映画『花束みたいな恋をした』で人気を博した脚本家・坂元裕二→この人が脚

本というだけで絶対鑑賞する当方である←と、映画『ラストマイル』の大ヒッ

トも記憶に新しい塚原あゆ子監督。この二人がタッグを組み、人気と実力を兼

ね備えた松たか子と松村北斗が共演する。

結婚して15年、事故で夫・硯 駈(すずりかける 松村北斗)が事故で亡くな

る。夫とは長い倦怠期で、不仲なままだった。第二の人生を歩もうとしていた

ある日、3年待たないといけない“餃子”がカンナ(松たか子)の元に届き、いき

いきと焼き始めるが、夫の部屋に入って気が滅入ってしまったことろ、餃子が

焦げてしまう。せめて、餃子が焼ける前に戻りたい…そう思ったときに職場か

ら電話が入る。急いで車を入らせていたその時!!車ごとタイムトラベルして

しまう。

到着したのは2004年の時代。夫とカンナが知り合った夏だ。

タイムトラベルの術を手に入れたカンナは「私と知り合わなければ夫は死ぬこ

とはなかったかもしれない」。駆が事故に遭わないように、生存する可能性を

考え出し、何度もタイムスリップを試みて実行していく。戻った過去には、彼

女が出会う前の駆が若い時代の姿があった。

そして彼女は「やっぱり私は、彼が好きだった」と。こうして夫と再会したカ

ンナは、もう一度彼と恋に落ちる。だが、二人を待ち受ける未来には…。

松たか子は20代を演じる。40代になった彼女だが、その姿はその頃の頬がぷっ

くりしていて健康そうだ。あの時代に出ていた人気ドラマの雰囲気のまま。そ

の見かけだけでなく、本人のままだ。当たり前とも思えるが、ありえないほど

似せてきている😄 瑞々しさのある、素晴らしい演技。過去と現在をいったり

来たりしながら、見事に演じ分ける。そして、その逆が松村北斗。彼は、現在で(役からすれば未来で)40代になった本人を演じている。その姿と声は、

20代のそれではなくなっていて、ハルラツ感はない。後ろ姿も中年男性のそれ

だ。

こうして、20代から40代を二人は演じ切った。お見事としかいいようのない世

界観を作り上げている。

過去パートで何度も登場する、人気かき氷店の行列に並ぶシーンでは、会話が

それぞれに違い、後ろに並ぶ女性二人は同じ。だが、二人のツッコミはそれぞ

れで違うので、それもこの映画の行方を左右するテイスト。

坂元裕二の作品にいくつも出演し、親和性の高い松たか子がここでも名演。松

村北斗も普段のアイドル性は一切なく、会話劇を繰り広げていく。

出演は他に、リリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜、YOU、竹原ピストル、

神野三鈴など。個性的で実力派が揃ったキャスト。普通にはありえないが、コ

ミカルに、時にはウルっときて、テンポ良く進む。

蛇足になるが、全てを受け入れていく松村北斗の後半の演技に注目だ。