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映画『花束みたいな恋をした』で人気を博した脚本家・坂元裕二→この人が脚
本というだけで絶対鑑賞する当方である←と、映画『ラストマイル』の大ヒッ
トも記憶に新しい塚原あゆ子監督。この二人がタッグを組み、人気と実力を兼
ね備えた松たか子と松村北斗が共演する。
結婚して15年、事故で夫・硯 駈(すずりかける 松村北斗)が事故で亡くな
る。夫とは長い倦怠期で、不仲なままだった。第二の人生を歩もうとしていた
ある日、3年待たないといけない“餃子”がカンナ(松たか子)の元に届き、いき
いきと焼き始めるが、夫の部屋に入って気が滅入ってしまったことろ、餃子が
焦げてしまう。せめて、餃子が焼ける前に戻りたい…そう思ったときに職場か
ら電話が入る。急いで車を入らせていたその時!!車ごとタイムトラベルして
しまう。
到着したのは2004年の時代。夫とカンナが知り合った夏だ。
タイムトラベルの術を手に入れたカンナは「私と知り合わなければ夫は死ぬこ
とはなかったかもしれない」。駆が事故に遭わないように、生存する可能性を
考え出し、何度もタイムスリップを試みて実行していく。戻った過去には、彼
女が出会う前の駆が若い時代の姿があった。
そして彼女は「やっぱり私は、彼が好きだった」と。こうして夫と再会したカ
ンナは、もう一度彼と恋に落ちる。だが、二人を待ち受ける未来には…。
松たか子は20代を演じる。40代になった彼女だが、その姿はその頃の頬がぷっ
くりしていて健康そうだ。あの時代に出ていた人気ドラマの雰囲気のまま。そ
の見かけだけでなく、本人のままだ。当たり前とも思えるが、ありえないほど
似せてきている😄 瑞々しさのある、素晴らしい演技。過去と現在をいったり
来たりしながら、見事に演じ分ける。そして、その逆が松村北斗。彼は、現在で(役からすれば未来で)40代になった本人を演じている。その姿と声は、
20代のそれではなくなっていて、ハルラツ感はない。後ろ姿も中年男性のそれ
だ。
こうして、20代から40代を二人は演じ切った。お見事としかいいようのない世
界観を作り上げている。
過去パートで何度も登場する、人気かき氷店の行列に並ぶシーンでは、会話が
それぞれに違い、後ろに並ぶ女性二人は同じ。だが、二人のツッコミはそれぞ
れで違うので、それもこの映画の行方を左右するテイスト。
坂元裕二の作品にいくつも出演し、親和性の高い松たか子がここでも名演。松
村北斗も普段のアイドル性は一切なく、会話劇を繰り広げていく。
出演は他に、リリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜、YOU、竹原ピストル、
神野三鈴など。個性的で実力派が揃ったキャスト。普通にはありえないが、コ
ミカルに、時にはウルっときて、テンポ良く進む。
蛇足になるが、全てを受け入れていく松村北斗の後半の演技に注目だ。