帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

パジェロミニ オイルポンプシール 楽々(激簡単)取り付け方法。

2011年06月30日 | 

ここでちょっと番外編。

実はパジェロミニのオイルシール、特にオイルポンプシールは整備士泣かせで有名です。

「プロでさえも何度やってもうまくいかない!」 というのは本当に有名な話で、何度やっても上手くいかないどころが、半分入ったまま指で取り外せなくなってドライバーでこじり、

新品のシールがゆがんでしまったり。外側がぼろぼろになるなんていう笑えない話もききます。

ましてやサンデーメカニックの方は数時間をこれに要し、気がついたら日が暮れかかっていた何て笑えない事もあります。

 

それなら僕はどうなんだ?となるわけですが、実際に悪名高き”このシール”を交換するのは初めてで(というか整備士資格はあれども、車整備を長年本業にしている訳ではないので何度も遭遇するはずない)、

当然、初めてにして最後の作業だと考えてよいのですが、 実際にやってみると、「なるほど納得」というのが正直な感想、やりにくいのが実によく解ります。

 

一応マルチスキルエンジニアと呼ばれている僕ですから、そのまま無理矢理作業することはしません。

そこでちょっとした工夫で、しかもとても簡単に一発解決できますので、一応特別編として紹介しておきます。

まず新しいシールがこれ、

 

とても綺麗で、刻まれている渦巻き状の溝は、わずかな滲みでさえも、シャフトの回転との相乗効果でオイルを内部へ戻そうという構造的な物です。

そして古い物はこれ、

溝が摩耗してほとんどありません。

これに材質の硬化が相乗するとオイル漏れが始まるのですね。

 

さて、オイルシールの交換ですが、シールリムーバーという工具が無ければ、ドライバーを使います。

シールリムーバーはシャフトとシールのあいだに工具を差し込んで引き抜くもので、馴れないとシャフトが傷つく事が多く、その傷が原因となってシールを異常摩耗させて破損させることがあります。

それが嫌な僕はまずこれを使いません。

大抵はドライバー 一本で終了。

 

方法はドライバーをシール外側(シャフトとシール内側の間だではない事に注意)のところにぐりぐり差し込み、こじり出します。

差し込み角度は下の手書き図を見て下さい。

写真の場合だと、ドライバーを持つ手は上に移動し、黄色矢印のところをテコの支点にするような感じでこじり出すといえば、分かりやすいかも知れません。

そして、シールの種類により硬い場合があるので、一度に深く差し込まず、何度か小分けする感じでこじり出します。

秘技?とまではいきませんが、シールの種類によりかたくてドライバーすら差し込めない場合やシールが奥に入っている為にこじり出すのが不可能な場合、

どうするかを説明しておきます。

 

*一番上の右はドライバーの差し込み角度感覚です。

他にも方法がありますが、大抵はこれでOKです。

 

 

 

話をもどします、新しいオイルシールをオイルポンプへ取り付けるわけですが、

このオイルシール、リップ(黄色矢印)部分に適度な締め付けを与えるためのテンションスプリング(赤矢印)が外れやすく、 

そのままオイルポンプシャフトに差し込むと黄色いリップ部分がめくれたりして、同時にスプリングがペコっと外れる。

実際、自分も普通の感覚で入れようとしたら、多分に漏れず外れました (笑)

 

短気起こしてスプリングが外れたまま、無理矢理シールを押し込もうとすると、今度はシール表面が変な盛り上がり方をするので、これまたすぐ解ります。

そこで取り外し、また差こんでを繰り返すのですが、数回やってみて、それが無駄な努力というのがすぐに解かりました。

この主たる原因はオイルポンプシャフトが短く、エンジンブロック面より少しだけしか出ていないことが原因です。

 

そんじゃ~いとも簡単に済ますにはどうすればよいのか?という事になるわけですが、実に簡単。

オイルポンプシャフトとほぼ同型、もしくは少し大きめのソケットを選び、表面にオイルを塗布してオイルシールを仮に差し込みます。

このときに注意するのはリップのめくれや反っくり返り、スプリングだけですが、ソケットに差し込むのですから手元で作業でき、よく見えるので、とても簡単。

5秒で終わります。

 

そしたらそのままソケットを、オイルポンプシャフトにまっすぐ押しつけ、後はシールをシャフト側に指で移動させてエンジンブロック受けのところへシール厚さの”3分の2”くらいまで押し入れるだけのこと。

たったこれだけで終わりです。

実際やってみると解ります。

 

これは単にソケットをオイルポンプシャフトの延長に見立てただけの事で、それによりめくれ上がる原因となる事が起きない様に移動するだけということです。

 

3分の2くらい入ったら、それ以上指で押しても入りませんし、シールが歪んでしまうので、無理をせず、後はシール外形とほぼ同じ大きさのソケットなどを当てて押し込むわけですが、

このシールサイズだと、たたき入れる必要は無く、腕でぐいと押し込むだけで十分です。

大変に思える作業というのはたいていは力任せの作業が多く、コツさえつかめば結構簡単に出来る事は多いのですね。

 

さて、こうしてオイルポンプシールは交換完了、

 

次はクランシャフトオイルシールになります。

こちらは特に苦労することなくシール交換は終わりますが、はずしたシールを見て唖然としました。

まずは例のごとくシールを取り外し   コジコジ・・・

 

そして取り外したシールを見て唖然。

なんじゃこりゃ  ゲゲ!

シールが硬化し、摩耗しているだけではなく、何とクラックが入っている・・・・・・・・・・・

三菱さんには悪いのですが、正直なところ、これって材質吟味している?

部品が他社に比べてやたらと高価で有名な三菱、その高額な部品代にも関わらず粗悪品質としか思えない材質、

しかも重要なオイルシール。

どうなんでしょうかね~こういった経営姿勢は?

 

と、愚痴を言っていても仕方ないので、そくさくと新しいシールに交換。

 

取り付けはさほど問題もなく、普通の作業として終了。

ちなみに僕はこのサイズのシールにあうディープソケットがなかったので、まず新しいシールをシャフトに軽く差し込み。

ソケットレンチの上に古いシールを重ねて腕の力で新しいシールを半分くらい挿入します。

ソケットの長さ不足分だけを古いシールで補う感じです。

丁度良い大きさのディープソケットが有れば、普通にハンマーでソケットの後ろを軽く叩いて挿入し、終了です。

黄色矢印が古いシール、赤い矢印の処から叩いてシールを入れます。

 

ちなみに作業スペースがあまりないので、 ハンマーは横にして側面でこつこつ打つようにしました。

 

以上 特別編でした。

その3へ続く

武蔵オイルシール オイルポンプオイルシール F4204 パジェロミニ H56A DOHC・4A30 1994年10月〜1999年 排気量660