もっと綺麗なPVがあったんですけど、消えていまいまして、 換わりにこれをアップ。
曲の流れと雰囲気がバイクで飛ばしているときの感覚にちかいので、聞きながら 例のごとくド下手な詩を読んでもらえたらと思います
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Diamond Snow popping in HighWay
一気に二つギアを落とすと、 軽くアクセルを煽り、レブカウンターの針とエンジン音をシンクロさせた瞬間にクラッチミート。
ラムエアブーストがフルに架かっているエンジンは200PSを絞り出し、タイヤは悲鳴をあげる。
暗闇のハイウェイを照らすヘッドライトは、舞い散る雪の結晶を煌めかせ、まるで永遠に続くトンネルを走っている感覚を僕にもたらす。
「チッ!!」 さっきからヤケにテールが暴れる・・・、 路面はうっすらと白いベール覆われ、
その上を同じ方向に幾本もの黒い線が曳かれている。
この状態でフロントブレーキをほんのわずかでも握れば、 あっという間に命は壊れる。
意味なんて無いのだけど、得体の知れない衝動に胸をかき立てられ、それに包まれている自分は、”本当にバカだ”と思う。
乾いた雪の結晶は、ゆっくりと、そして遙か彼方から忍び寄り、 一瞬の瞬きを瞳に届けつつ後方へ飛んでいく。
一つ一つがダイヤモンド、 それが幾万、いや幾億。
まるで銀河を駆ける浮遊感と、その中の流れ星の様で有りたいと・・・
時速200マイルの速度は エクゾーストノートを大地に叩きつけ、考察する思いはそれに吸い込まれては消え、同時に心の中で増殖する不安を中和する。
黒い鉄馬に跨り、弾丸のように夜を切り裂き、風圧は無重力空間の彼方へと僕を誘う。
閉じていた瞼をそっと開けると、 それまで有った星々は一瞬で砕け散り、代わりに瞳が地球を捕らえる。
目の前に広がる海には、すでに太陽が真横に差し込み、 砕け散る波は僕の足下まで打ち寄せる。
「とうとう来ちまったか・・・」 クスリと笑いが出て、 あいも変わらない自分の愚かさを今更ながら知る。
後を振りむけば、 薄い雪に刻まれた僕の足跡が・・・
やがては溶けてゆく、この一度きりの造形と、すぐに訪れる春を約束してくれている陽光は、僕の生き様をリセットしてくれるのだろうか・・・
「無理だよね・・・」、 解ってはいても、「もしそうなら、どれだけ良いだろう」 と、
命は一度きり、 人生も一度きり。
けして後戻りはできないんだ、昨晩のダイヤモンドスノウも、その時だけの物語なのだから。
「若さは激しい衝動だよ!」 と誰かが言っていたけど、 いまもってそれが失われていない僕は、もう何十年も時間が停止しつづけている事になるのだろうか?
目の前のオレンジは透明感を孕みつつ青へと変化し、冷え切った体が暖かみを受け取り始めると、ふと気になって右肩のエンブレムを見る。
自分の象徴として、ずっと大切にし続けているこれは、LA(ロサンゼルス)の古ぼけたバイク屋で手に入れた物。
あの、オイルでうす汚れたデニムがよく似合っていた 飲んべえ爺さんは今どうしているだろうか?
左手で軽く雪を拭うと ブラウンの革ジャンへ無造作に縫い付けられた 白頭鷲が顔を出し、 続けてファイティングブルと戦う姿になる。
あと二月もすると、暖かい風がこの浜にも訪れる、 「そろそろマストやセイルの手入れをしなくちゃな」、と思いつつ空を見上げる。
フワフワと落ちてきたダイヤモンドが一つ眼に飛び込んだ、そして、一瞬の冷たさと清涼感を残して消える。
そしてもう一つ、これがこの冬の最後らしい。
グラブのままで、それを受け止めようとしたけど、小さな結晶はヒラリと身を翻し、打ち寄せる潮へと消えていった。
それはまるで、一瞬の間だけ子供に帰った僕を、笑うかのように・・・
詩 BY 翔
追記:
Diamond Snow popping in HighWay に are と the は不用なので入れていません、解る人は判ると思いますが・・・・ 一応誤解がない様に記しておきます。