literallyは「文字通りに」であるが、その意味で覚えてしまっていることが多いからか、翻訳する上でうまくいかない場合もある。
3月20日のPeter Porkerの用例では、この豚のキャラクターのセリフを紹介した。
"This could literally not get any weirder."
"It can get weirder. I just washed my hands. That's why they're wet."
「これ以上、変な奴出てこないよな?」
「いや、まだいるよ。さっき手を洗ったばかりだから濡れてるんだ」
literallyには「事実上、本当に」と、exactlyの意味でも使われるので、翻訳者は状況に応じて判断することが求められる。訳語の選択に悩むようなことがあれば、基本単語ほど英英辞典にあたるのが効果的だし、同義語(synonym)も見てみることが大切だ。
以下のliterallyの使い方を見てみよう。
○Practical Example
Mayumi has been working very late recently at the office. When she gets home at night, she is literally dead on her feet.
「真弓は最近とても遅くまで残業してるので、夜帰宅すると、それこそくたくたに疲れきっている」
●Extra Point
もう一例。
◎Extra Example
"Department stores really get crowded at the end of the year, don't they?"
"It seems as though you literally have to plow your way through."
「年末のデパートって、やっぱりすごい人出ね」
「まさに人込みを分けて進むって感じね」
☆Extra Extra Point
毎月講読している『English Journal』5月号のQuick Chatに次の表現があった。
★Extra Example
Emma : Um…usually I don’t buy online because I have had a bad experience ―and literally, just one bad experience ― and that put me off buying anything online.
「普段はネット通販で買うことはないわね、というのも、ひどい経験をしたことがあるのよ――ひどい経験は本当に1回だけなんだど――それからはネットで買うのをやめちゃった」
このコーナー、メチャクチャくだけた表現がたくさん出てくるので、ListeningでもReadingでも大変勉強になる。どこに行くかわからない破格な文章を、翻訳者もよく訳している。
英語はやっぱりたくさん読んで、聞いて、そして翻訳するのであれば、たくさん本を読んで、たくさん翻訳するのがいちばんだと思う。
そして誰かに見てもらう、ほかの人の翻訳に学ぶということも必要だ。これをしないと、自己満足で終わってしまう。
仕事をすればするほど、つくづくそう思う。