翻訳していていつも思うが、訳してみてしっくりしない時は、その英語の意味を微妙に取り違えていることが多い。
構文が読み取れていないときはもう一度よく読んで、それをしっかりつかめばいいが、基本単語がその状況では使われていないと思われるときは、前後関係をヒントに、よく考えてみることが大切だ。
最近はずっとMarvel, Star Warsほかの映画のノベライズの仕事をいただいているので、やっぱり日常会話表現は映画から勉強するのがいちばんいいように思っている。
たとえば、Spider-Man Into the Spider-Verseのthe official novelizationには、主人公と家族がAfrican-American系だったりするので、彼らが使うと思われる俗語がよく出てくる。
たとえば、次の表現を見てみよう。
“There’s a lot of history on these walls,” Uncle Aaron said, his voice full of respect.
“This is so fresh!” Miles said in disbelief.
「ここの壁にはたくさん歴史が刻まれてる。」アーロンの声は敬意が満ちあふれていた。
「ここヤバいね!」マイルスは信じられないとばかりに言った。
このfresh, 「新鮮だね」「真新しいね」ではなんとなくしっくりしないし、そしてMiles said in disbeliefから「信じられないくらいすごいものを見て言っている」ということがわかるので、もっとも信頼できる辞書のひとつ『リーダーズ』と『リーダーズ・プラス』を引けば、
《俗》 すばらしい, すごい, かっこいい
という意味が出て来るので、それを充てればいい。
そして、なんといってもInternetで調査することも必要だ。
信頼できるUrban Dictionaryには
fresh
very good/fly (in relation to clothes, cars, bling, and style)
という定義があり、次の用例が載っている。
Man, yo lookin fresh tonight!!
「よお、今日はカッコいいじゃねえか!」
状況によっては、「ヘイ、今日はクールに決めてるじゃないか!」くらいでもいいかもしれない。
英語の解釈も翻訳も、やればやるほど考えなければならないことがたくさん出てくる。
GetUpEnglishは2006年4月1日に開始し、本日で13周年を迎えることができました。2014年10月17日にはGooのブログに移行し、検索機能も充実しました。上杉隼人が日常の英語学習、翻訳でわからなかったことも結構掲載しているので、ぜひ翻訳などの参考にしていただけますと、うれしいです。