中国偽ブランド社会に劣らない日本偽ブランド社会

2007-12-21 06:13:01 | Weblog

 誇ってもいい、「美しい国 日本」

 asahi.com記事(2007年12月20日21時26分)≪百貨店など10社に警告 家具・地鶏で不当表示 公取委≫

 <大手百貨店やスーパーが中元や特設イベントで扱った鶏肉や家具などを産地表示が誤ったまま販売していた問題で、公正取引委員会は20日、伊勢丹や小田急百貨店など計10社に対し、景品表示法違反(優良誤認、原産国不当表示)のおそれがあるとして警告を出した。各店から発注を受けた業者が、発注の産地とは異なる商品などを納入し、各店がそのまま販売していたという。公取委は業界団体に対し、店が自ら表示を確認したうえで販売するよう要望書を出した。
 調べでは、小田急百貨店(東京)は、今年5~7月に魚の干物を集めた中元商品「山口・仙崎一夜干」の詰め合わせを販売したが、セットには山口・仙崎産だけではなく、山口・下関産のフグや、島根・浜田産のカレイなど別産地の干物も含まれていた。
 また、スーパーのユニー(愛知)は5~8月、宮崎県知事似のイラスト入りの中元用カタログに、ブロイラーを「宮崎地鶏」と表示して販売。ジェイアール西日本伊勢丹(京都)も、催事場の宮崎特集コーナーで扱ったブロイラーについて、新聞チラシに「地鶏炭火焼」と表示した。
 丸井今井(北海道)▽伊勢丹(東京)▽京王百貨店(同)▽松屋(同)▽岩田屋(福岡)▽宮崎山形屋(宮崎)▽山形屋(鹿児島)の7店は家具販売で警告を受けた。各店は9~10月、「イタリア展」などのタイトルをつけた催事場で、中国製のイス(約3万円)やソファ(十数万円)を販売したという
 いずれも納入業者が仕入れ段階で産地などを誤ったのが原因だという。「一夜干」では、店は仙崎産を指定したが、納入業者が他産地の干物を混ぜていた。家具では、卸売業者が輸入業者に発注する際に、中国産の家具をイタリア産と勘違いしていたという
 景表法の対象は、消費者に直接、表示をする業者となる。そのため、不当表示の原因が仕入れ段階にあったとしても、法に問われるのは小売店だけとなる
 公取委は「百貨店への消費者の信頼は非常に大きいが、販売時に表示の再確認をしている店はほとんどない」と指摘している。>――

 ◎各店は9~10月、「イタリア展」などのタイトルをつけた催事場で、中国製のイス(約3万円)やソファ(十数万円)を販売したという。
 ◎家具では、卸売業者が輸入業者に発注する際に、中国産の家具をイタリア産と勘違いしていたという。
 ◎景表法の対象は、消費者に直接、表示をする業者となる。そのため、不当表示の原因が仕入れ段階にあったとしても、法に問われるのは小売店だけとなる。

 業者は発注間違えだと言うが、例え電話での注文であるなしに関係なくカタログを基準とするはずである。カタログにはイタリア製か中国製か表示がしてあるだろう。また百貨店で扱うイタリア高級家具と中国家具がそれが最高級品であってもそれぞれの値段の見当と差違は経験上の常識としているだろうから、金額の点からも間違いようがないのではないか。

 また、発注品が剥き出しで届くわけではない。ダンボールその他で梱包された状態で届けられるだろうし、製品を傷つけないために百貨店の催事スペースに搬入するまで梱包した状態が維持される。梱包材の表示文字によっても中国製かイタリア製か判断できる。発注間違えだとは俄かには信じ難い。

 もし搬入時に表示文字が何も記されていない梱包材で包まれていたとしたら、それは製造国を不明とするために途中で入れ替えた可能性が生じる。

 百貨店は自己利益を最大限に獲得することを優先させるために納入業者に対して納入商品の単価を情け容赦なく叩く商慣習にあるということを聞いたことがあるが、納入業者側がその不利益を穴埋めするために中国製をイタリア製と偽ったといったことではないだろうか。

 大手ゼネコンに下請単価をギリギリカットされることで自分たちの利益そのものを削られた下請業者が手抜き工事で応えて不利益を帳消しにしようとするようにである。

 耐震偽装、賞味期限表示偽装、産地偽装、偽造食品・偽造製品等々、ブランドを偽るゴマカシが跡を絶たない。ブランドどおりの商品・製品の類は存在しないのではないかと疑いたくなる程の偽装・偽造のオンパレード、跳梁跋扈となっている。

 あとでテレビのヤラセ報道だと露見したが、今年7月に中国で水に浸してボロボロに細かく砕いたダンボールを豚肉に加えて水増しした肉まん作りの場面を北京のテレビが隠し撮りして放送したあと、インターネットの掲示板に「何を信じて食べればいいのか」といった書き込みが殺到した(07.7.12.asahi.com≪「偽肉まん」は、豚肉と段ボールの割合が4対6 中国≫から)ということだが、元々偽ブランド品が国内はおろか海外にまで氾濫させている中国のことでだったから、日本の反響は中国人のやることはと見くだすふうなところがあったと思う。

 しかし日本のあるべきブランドを裏切る偽ブランドの横行は中国のそれに優るとも劣らない氾濫ぶりである。フジテレビ系列で放送された関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」を例に出すまでもなく日本のテレビの番組本来のブランドを偽るヤラセ・捏造番組(=偽ブランド番組)にしても、中国の「肉まん」捏造偽ブランド番組どころではない活躍ぶりではないだろうか。

 「公取委は業界団体に対し、店が自ら表示を確認したうえで販売するよう要望書を出した」と言うことだが、百貨店側にしたらありとあらゆる場面で偽ブランドが横行する日本の社会の現状を考えに入れた万が一の危機管理体制を常に発動状態にしておくべきだったのではないだろうか。

 百貨店の危機管理欠如と言い、どう転んでも誇ってもいい、「美しい国 日本」の姿と言える。「でも、そんなの関係ねえ、オッパッピー」でさらなる偽ブランド社会に向けて邁進するか。安倍晋三が唱える「美しい国 日本」を完全な状態で完成させるためにも。

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