谷亮子の今後の未知数は柔道選手としての学習の習慣にかかっているのではないか

2010-08-08 08:14:55 | Weblog

 柔道金メダリストで、今回の参議院比例区で民主党から立候補、当選した谷亮子が、議員経験がないまま、民主党スポーツ議員連盟会長に就任した。《谷亮子氏の会長就任を了承 民主スポーツ議連、異論も》47NEWS/2010/08/06 13:06 【共同通信】)

 前会長の田名部匡省(たなぶ・まさみ)氏が参院議員を引退したことに伴う人事だそうだ。

 賛成議員「議連の会長には新たなインパクトも必要。谷議員は柔道の実体験や世界的名声もあり、これ以上の人材はいない」

 反対議員「お飾り会長とやゆされるような人事は納得できない」

 谷亮子「大変身の引き締まる思い。各種スポーツの環境整備の充実を図り、スポーツ社会を明るいものへと導きたい」

 まあ、紋切り型の抱負だが、柔道と国会議員と、いわゆる二足のワラジを履くだけではなく、スポーツ議連の会長という新たな負担を引き受けることを自分から決めたということなのだろうから、意欲は満々と見える。

 だからと言って、スポーツ議連会長として才能を発揮する保証とはならない。政権を担当して日本を変えようと意欲を見せたものの、指導力がないとされて、意欲に反して1年前後で消えていった総理大臣をここ何人か見ている。

 但し、現在のところは未知数である。政治家としての経験がゼロだから、国会議員としてやっていけるはずがないと今から断言できるはずでもない。優れた才能を発揮するかもしれないし、反対議員が言っていたように単なるお飾り、あるいは人気取り、広告塔で終わるかもしれない。

 私はスポーツで優れた成績を上げ、名を成す選手は優れた頭脳の持主だという偏見かもしれない考えを持っている。優れた成績を上げるには才能に恵まれているだけでは特別な例以外は難しく、年齢、日々変わる体調、体調から受ける精神状態、試合中の精神状態、例えハンマー投げのように一人で戦う個人競技であっても、共に記録を争って闘う選手の成績が本人に及ぼすプレッシャーが綾(あや)なす精神状態等々の状況は才能にプラスαを付け加えもするし、マイナスαの仕打ちを与えもして、才能が常に絶対不動、あるいはオールマイティではないことを教えてくれるはずで、そのことに打ち克って初めてトータルで優れた成績を上げることができると思っている。

 打ち克つためには日々の生活、練習、試合の中で経験するあらゆるケースに於いて、精神を落ち着けて体調を維持すにはどうすべきか、練習方法はどうあるべきか等、すべきこととすべきでないことを常に考え、修正すべきは修正する答を見い出す学習が否応もなしに必要となってくる。尤も、そのときはその修正が効果を収めても、別のケースでは効果がないこともあり、修正も絶対ではなく、修正に修正を加えなければならない場合も生じるが、基本は常に答を見い出していく学習の積み重ね、その姿勢が絶対不動でもオールマイティでもない才能を維持・向上させる力となり得るはずである。

 この学習は日々積み重ねていくことによっては自然と習性と化す。

 常に考える学習の習慣を習性として身につけた人間に、優れた成績を成果としていることが証明するように頭の悪い人間がいようはずはない。頭の悪い人間にはできな学習の習慣の習性化であろう。

 習性と化したこの学習の習慣が自身が専門とするスポーツ以外の才能にも習性と化しているゆえに、少なくとも考え、答を見出すとする習性と化した姿勢で臨もうとするはずである。谷亮子の場合で言えば、柔道で優れた成績を上げていることから、学習の習慣を習性としているはずと見ることができ、柔道で発揮していた常に学んで答を見い出していこうとする学習の習慣が国会議員の仕事に対しても応用するであろうし、スポーツ議連の会長の仕事にも少なくとも応用していくはずである。

 尤もプロ野球の場合、名選手、必ずしも名監督ならずという例外もある。このことは異なる才能発揮の環境となった場合の元となる学習の習慣が必ずしも効果を発揮できない場合があることを証明していて、学習の習慣をいくら習性としていても絶対でないことを教えてくれる。

 抱える選手の質によって、チーム自体の能力の優劣もあるが、おおむね選手時代優秀な成績を残した選手が監督としても優れた成績を上げていることからすると、習性とした考え、答を見出していく学習の習慣が異なる才能の発揮の場面でも助けとなっていることを証明しているのではないだろうか。

 才能発揮の場面で常に才能を最良の状態に修正・維持すべく考えて答を見出していく学習の習慣は決して学歴が保証する姿勢ではない。

 谷亮子の国会議員としての未知数、あるいはスポーツ議連会長としての未知数は柔道選手として身につけ習性化したであろう常に考え、答を見い出していく学習の習慣を如何に応用するかにかかっているはずだ。

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