菅無能の何の覚悟も責任意識も危機管理もなかった東京選挙区党非公認候補支援の危機管理

2013-07-25 10:08:56 | Weblog



 民主党は今回の参議院選挙の東京選挙区(改選数5)で公示直前に2人の現職のうち、共倒れ回避策として鈴木寛だけを公認し、大河原雅子を非公認とし、後者は無所属で立候補することになった。

 選挙情勢を読んでの決定だったはずだ。

 各メディアの事前の世論調査では比例投票先で自民党が30%超、40%近くに達している調査もあり、民主党は10%以下。選挙区投票先も自民党が30%前後、民主党は自民党に対して3分の1の10%前後に低迷。

 政党支持率にしても自民党の40%前後に対して民主党は10%以下。

 当然、民主党執行部は背水の陣で参議院選挙戦に臨んだはずである。

 東京選挙区1人公認が例え間違った選択であったとしても、執行部の背水の陣からの決定であったろう。大河原雅子の残された選択は当選して胸を張って民主党に戻ることである。

 落選したら、それまでである。それなりの覚悟があって、選挙に立ち向かったであろう。

 大河原雅子非公認の民主党執行部決定に反して、あの菅無能が大河原雅子の支援に回った。当然、菅無能にしてもそれなりの覚悟があったはずだ。

 単なるヒラ議員が支援に回ったのとは訳が違う。民主党政権下の元首相であり、執行部の最重要メンバーを経験している。その人物が執行部の意に反する行動を取ったのだから、重みが違ってくるし、社会に与える評価も違ってくる。反旗を翻したと取られたとしても仕方はあるまい。

 会社に譬えるなら、平社員が社長に反旗を翻したといった事柄でではなく、元社長が現社長に反旗を翻したような重大さがあるはずである。

 また、菅無能は今日の民主党の衰退を最重要な立場で招いた一人である。2010年参院選直前に周到な準備もせずに不用意に消費税増税を打ち上げ、選挙で大敗、公示前勢力116議席から106議席に減らし、国民新党公示前6議席と併せて維持していた過半数さえも失って、ねじれ国会を招いた。

 さらに東日本大震災では被災者の救助・救援に遅滞を来たし、福島原発事故では危機管理対応に様々な混乱をもたらし、国民の政権交代に対する期待と希望を裏切り、失望へと変えていった。

 菅無能内閣がそれなりの支持率を維持できたのは民主党に対する失望との狭間で首相がコロコロ変わることへの国民の忌避感が支えた消極的選択であったはずだ。

 いわば民主党が2013年参議院選挙で背水の陣を敷かざるを得なくなった現在の進退窮まった状況に菅無能も責任の一端を負っているということであり、その背水の陣が東京選挙区にも波及した公認1人・非公認1人ということである以上、それが菅無能自身が決めたことではなく、執行部が決めたことであったとしても、その決定に関して自らの責任の範囲内にあることになるばかりか、首相経験者としても、あるいは執行部経験者としても、それなりの責任を自覚して行動しなければならないことになる。

 にも関わらず、党が非公認とした候補者を民主党にとどまったまま支援することは民主党の衰退を菅無能も関わって招いた結果としての党執行部の決定に対する菅無能自身も担っている責任の放棄に当たり、責任を自覚した行動とは言えなくなる。

 責任を放棄する以上、非公認の大河原雅子を支援すると決めた時点で民主党離党を決めて支援する覚悟が必要だった。今日の民主党の衰退を招いたのは私にも大きな責任があります、当然、東京選挙区の党公認の状況にも責任があります、非公認候補を支援する以上、離党して支援しますと言う覚悟が。

 そのような覚悟と責任意識が、離党しないままなら待ち構えることになるかもしれない党の処分に対する危機管理ともなり、そ手の危機管理が自身の経歴や責任放棄をそれ以上に傷つけないための備えともなったはずだ。

 だが、民主党を離党もせず、民主党にとどまったまま、現在の民主党の衰退を招いた責任、衰退の結果としての東京選挙区の公認事情などどこ吹く風で非公認候補支援を貫いた。責任放棄を続け、そのことによって自分では気づかずに世間一般が抱く経歴を損ない続けた。

 その結果、公認候補も非公認候補も落選、共倒れを招くことになった。

 民主党執行部が菅無能に対する処分を検討することになったのは当然であろう。《「菅元首相は自発的に離党を」》NHK NEWS WEB/2013年7月24日 12時7分)

 7月24日の午前中、海江田民主党代表が東京都内のホテルで菅無能と会談、党の公認を取り消された無所属候補を支援したことは「重大な反党行為だ」として、自発的に離党するよう促し、受け入れない場合は除籍処分にすることも検討していると記事は書いている。

 会談の結末は菅無能自身が自らに近い議員対して発言したという言葉が証明することになる。

 菅無能「党が掲げる政策に近い候補を応援しただけだ」――

 記事はこの発言を〈離党には値しないという考えを示し〉たものと解説しているが、自分は悪くはないと意思表明したのである。

 共倒れを招いている以上、「党が掲げる政策に近い候補を応援しただけだ」といった問題ではないはずだが、それだけの問題としていること自体が菅無能の無能たる所以を証明しているだけではなく、大した覚悟で非公認候補を支援したわけではないことをも証明することになる。

 覚悟の無さは現在の民主党の衰退を招いた責任と、この責任と対応することとなる、党勢衰退の結果としての東京選挙区の公認事情に対する責任を何も弁えていないことと表裏をなしているはずだ。

 覚悟もない、責任意識もない当然の結果として、菅無能は自発的離党を拒否。民主党は同24日午後、常任幹事会を開催、菅無能の処分を諮った。

 ここでも菅無能は自発的離党を拒否、多分殆どが菅無能グループ所属の議員なのだろう、出席議員からも菅無能処分に反対や反発の声が上がったという。結論持ち越し、再協議である。

 《民主 菅氏の処分は週内に再協議》NHK NEWS WEB/2013年7月24日 17時40分)

 自発的離党が拒否なら、除籍とする案を倫理委員会で諮ることにしたという。記事は常任幹事会出席議員の発言を紹介している。

 出席議員「参議院選挙で菅氏と同様の行動をとった議員もおり、菅氏だけを厳しい処分にするのはおかしい」――

 菅無能と「同様の行動をとった議員」がどの程度の議員か分からないが、例えそれが閣僚経験者であったとしても、菅無能は元首相であり、執行部を最重要なメンバーとして経験した人物であるその立場と、立場に伴う責任と覚悟の重大さは比較できないはずだが、比較もせずに立場と責任と覚悟を同等に扱う矮小化は菅無能に匹敵する無能だからこそできる解釈であり、やはり類は友を呼んで組織した菅無能グループの一員ということでなければ、整合性が取れない。

 海江田以下の民主党執行部が一旦持ち出した処分を処分通りに実行でずに処分撤回ということになった場合、他の政党の議員から失笑を買うだけではなく、国民の失笑まで買い、国民の民主党に対する失望を益々大きくすることになるだろう。

 菅無能の元首相としての覚悟の程も民主党衰退を招いた責任の自覚も、自身の立場に対する危機管理も何もない、今回の東京選挙区での非公認候補支援の情けない一幕が海江田民主党執行部の組織管理能力をなお一層試すことになっている。

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