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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

名鉄7000形パノラマカー 名古屋本線・犬山線にて機能保全運転

2009-03-14 02:23:58 | コラム

◆永遠の名車パノラマカー

 2008年12月27日のダイヤ改正にて、営業運転を終了した名鉄パノラマカー。その姿を三ヶ月半ぶりに撮影することができたので、その様子をお伝えしたい。

Img_4166  名鉄犬山線を快走、いや回送で走る7000形パノラマカー。“もっと身近に ますます便利”をキャッチフレーズに行われた12.27新ダイヤ。2008年12月27日のダイヤ改正では、特急が使いやすく!、ダイヤが分りやすく!、乗換がスムーズに!と、大規模な運用体系の革新が行われたが、同時に、このダイヤ改正とともに、パノラマカーが定期運行から退いた。

Img_4127  栄生駅の留置線に停車するパノラマカー。昨日、仰々しく東海道本線夜行列車120年の歴史に幕、と書いたのだが、考えてみれば、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲が、東海道本線を端から端まで踏破して、四国へ山陰へ頑張っている、それよりも貴重なのは、パノラマカーが走っている様子を写した写真だろう。今日は、ソマリア沖へ向けて呉基地から護衛艦が海上警備行動で出動し、海賊対処法案が閣議決定。他方、来月上旬に北朝鮮が長距離ロケットの試験を行うなど、動きがあったのだが、パノラマカーの方が速報性の面で大きいので掲載。

Img_4142  西春駅に停車するパノラマカー。動いているパノラマカーを見るのは、三ヶ月半ぶりというところか。展望車を有しつつも特急料金を必要としない車両として、デビュー。名鉄の看板電車として、1961年から2008年まで定期運行に就き、今年一杯は団体列車として特別運行に就いたのち、廃車となる予定だ。

Img_4145  石仏駅に近づくパノラマカー。定期運用が終了したのちでも、パノラマカーが走っているのは何故かというと、これは機能保全運転と呼ばれるもの。つまり、停車したままにしておくと、錆が生じたり、老朽化部分が痛むことになるので、定期的に動かすことにより、稼働状態を維持させることが目的とした運転だ。

Img_4155  パノラマカーは現在、二編成が犬山線の布袋駅に隣接した留置線に置かれており、布袋駅のホームからも見ることができる。ちなみに、パノラマカーだけでなく布袋駅には見所がある。布袋駅は、木造の非常に古い駅舎が維持されていることでも有名で、パノラマカーと併せて、一見の価値がある駅舎だ。

Img_4163_2  パノラマカー石仏駅を通過。三ヶ月半ぶりのパノラマカーだ。パノラマカーの機能保全運転は、基本的に名古屋本線の栄駅と、犬山線の布袋駅の間で行われており、一ヶ月間に数回行われているとのこと。このパノラマカーの機能保全運転は、回送電車扱いであるので、乗車することはできないが、撮影することはできる。

Img_4165  パノラマカーの象徴の一つであった逆富士山型の方向幕表示板は取り外されている。実はあの逆富士は、鉄道友の会からブルーリボン賞を贈られた際に、ブルーリボン賞受賞を記念する表示のために取り付けられたものを、そのまま方向幕表示板として用いたもの。もともと、パノラマカーはこの姿でデビューしたので、原型に戻った、ともいえる。

Img_4168  パノラマカーは、二両編成化されたものが、一本保存されるとのことだ。最後は築港線の東名古屋港駅にて、解体されることとなる。それでも、留置線に余裕があるのならば、あと10年くらいは、現存する編成を全部、どこかの車両基地に残して、もしくは駅の待合室として維持することができるのではないかな、と考える次第。

Img_4172  パノラマカーの後姿。もう少し、綺麗にしてはどうなのかな、と思うくらいに、逆富士型方向幕のあったあたりを見ると思う。パノラマカーは機能保全運転を終えると、布袋駅で他の編成との位置の入れ替え作業を行うとのこと。最後になりましたが、現地でいろいろお教えいただきました皆さん、ありがとうございました。

HARUNA

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コメント (8)
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