◆春日井駐屯地祭[2009.03.08]
3月8日に行われた春日井駐屯地創設記念行事。本日から数回に分けて、陸上自衛隊春日井駐屯地祭の詳報を掲載してゆく予定です。
式典に向け、整列する隊員。春日井駐屯地は、1941年に陸軍造兵廠西山分廠としてこの地に造営され、陸上自衛隊が創設されてのちは、1955年に武器補給処西山弾薬支処として再出発。1962年に守山駐屯地の分屯地に、1967年に、第10施設大隊が豊川駐屯地より移駐し、春日井駐屯地が発足した。
部隊整列。奥に見える緑色のバルーンアーチ(全国シェアの80%を占める春日井の名産、小サボテンを模っている)が、春日井駐屯地の正門である。さて、春日井駐屯地の通史を続けたい。分屯地から駐屯地となった春日井駐屯地は、1974年に駐屯地業務隊が新編。1975年に岐阜から第10対戦車隊が移駐、1991年に第10後方支援連隊が守山駐屯地から移駐した。
2003年に、第10師団が師団改編を受け、一個普通科連隊が増強されるとともに、第10対戦車隊が解体、各普通科連隊に対戦車中隊が新編され、師団の対戦車火力は大幅に強化され、軽装甲機動車の配備も開始された。こうして、車両、火力の充実に対応するべく、後方支援連隊も改編を受け、今日に至る。
整列した、創設42周年記念式典参加部隊。春日井駐屯地には、第10後方支援連隊、第10施設大隊、第10偵察隊、春日井駐屯地業務隊、第426会計隊、第306基地通信中隊、第130警務隊、第104輸送業務隊が駐屯しており、春日井駐屯地では、1000名の隊員が所属している。
曇り空ではあったが、雨天が予報に出されていたこの日の春日井は、嬉しいほうへ予報は外れ、会場にも多くの観覧者が足を運んでいた。こうして、いよいよ式典が開始される時刻を迎え、春日井駐屯地司令を務める第10後方支援連隊長、間瀬元康1佐が、連隊旗とともに車両で式典会場に入場する。
部隊旗を振り上げて、指揮官を迎える式典参加部隊の隊員たち。春日井駐屯地創設記念行事は、式典開始が1000時からで、観閲行進などが1050時まで。音楽演奏が1050時から1110時まで行われ、訓練展示が1110時から1140時まで、というプログラムに沿って行われた。
連隊長ととにも入場した連隊旗に続いて、日本国国旗入場。国旗が入場する時には、観覧者や招待客は起立して国旗を迎える。国旗は、旗手とともに着剣した64式小銃を持つ国旗衛兵が附いて、会場へ行進して入場してくる。第10音楽隊の演奏を背景に見るこの様子は、非常に厳粛な空気が流れている。
国旗に対し敬礼ッ!捧げッ銃ッ!!、着剣した89式小銃、64式小銃を手に国旗に敬礼する。41センチもの長さに及ぶ64式銃剣を取り付けた64式小銃は、物凄い迫力。春日井駐屯地の駐屯部隊は後方支援部隊と戦闘支援部隊、戦闘部隊とが駐屯しており64式小銃と89式小銃が混在して装備している。
式典であるが、春日井駐屯地祭を見学するには、スタンド席とその周囲から見ることができる。スタンド席は、会場となるグラウンドの二つの方角に設置されており、観閲台となるスタンド席の左右に招待客、そしてその両端に一般席が配置されており、L字型に繋がるもう一つのスタンド席は一般客用となっている。当方一行は後者のスタンド席より撮影。
巡閲。国旗入場が完了すると、音楽隊の演奏を背景に春日井駐屯地司令が整列した各部隊の前を車両にて、廻る。駐屯地司令の乗った73式小型トラックが通過すると同時に、指揮官に向けて部隊旗が勢いよく振り上げられ、隊員は敬礼する。司令も車上から答礼してこれに応える。
春日井駐屯地司令を務める間瀬元康1等陸佐。2008年3月に春日井駐屯地司令として着任、第10師団の兵站を担う第10後方支援連隊長と駐屯地司令を兼任している。連隊長としての要望事項は、団結・挑戦・成長、統率方針は、積極・万全・即応支援、座右の銘は笑顔、健康とのことである。
間瀬駐屯地司令は、訓示において、まず、諸先輩方と隊員、そして式典に駆け付けた市民のみなさんへ挨拶を交わしたのち、春日井駐屯地の隊員は日々迷彩服で通勤し、家を出れば有事即応、武力攻撃から大規模災害まですぐに駆けつけることができるとした上で、いまこの瞬間にも発射さrてるかもしれない、北朝鮮のミサイルの事例などを挙げ、より精強な部隊の錬成へ決意を述べた。
指揮官訓示と共に、国会議員の祝辞が行われ、そして来賓紹介が行われた。多くの方々が紹介されたが、その中に初代統合幕僚長、先崎一氏が紹介された。十年前の第3師団長、統合幕僚会議議長から新しく創設された統合幕僚長のポストに就き、陸上自衛隊のイラク復興人道支援任務への派遣任務などの指揮を執った。
来賓祝辞、来賓の哨戒、そして祝電披露などが行われたのち、観閲行進準備へ、の号令が掛かった。いよいよ式典は観閲行進へ移行する瞬間だ。観閲行進の体形に移行するべく、式典に向けて整列した部隊は、列を解いて、車両が待機している位置へと移動を始める。
第10師団隷下の部隊が駐屯する駐屯地祭では、観閲行進準備の号令とともに、駆け足で車両が待機しているところに向かってゆく。しばらくすると、遠くで車両のエンジンが鼓動を撃ち始める気配が伝わってくる。そして、続々と車両の待機位置に向けて移動が始まる。この観閲行進の様子は、次回の詳報に掲載したい。
HARUNA
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