北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

修理完了!ヘリコプター搭載護衛艦くらま、母港佐世保基地へ帰港!!

2010-06-13 22:12:59 | 海上自衛隊 催事

◆修理費用7億1000万、16日にも任務復帰

 満タンの日本酒五合瓶と半分は残ってたバーボンのボトルが空になってました。空の境界(違)。何故そんな事が?と思われるでしょうが一本の記事。

Img_7764  護衛艦「くらま」修理を終え、佐世保帰港・・・佐世保港に帰港した護衛艦「くらま」 昨年10月、関門海峡で韓国のコンテナ船と衝突した海上自衛隊佐世保基地(佐世保市)所属の護衛艦「くらま」(5200トン、約270人乗り組み)が12日、船体の主要な修理を終え、佐世保市の佐世保港に帰港した。 

Img_6886  海自佐世保地方総監部によると、長崎市の三菱重工業長崎造船所で1月24日から約4か月半にわたり、大破した艦首部分を修理し、船体を塗装した。今月9日からは、五島沖でエンジンや機器類の試運転を行った。修理費は約7億1000万円という。15日までの最終点検で機能に問題がなければ、16日から通常任務に就く予定。(2010年6月13日  読売新聞http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/20100613-OYS1T00332.htm
Img_7893  観艦式から母港佐世保基地への帰路、韓国貨物船カリナスターが九州と本州を隔てた関門海峡において航路を逸脱して、くらま、に衝突。火災を発しました。狭い航路で追い越しを図ったカリナスターが反航する航路に飛びだした事で生じた事故なのですが、くらま、は艦首を大きく破損し、一時は除籍もあり得るのでは、と囁かれ、本当に不安でした。

Img_6766 くらま、といえば京都の北から都を守り、毘沙門天を祀る鞍馬山の名を冠した護衛艦、旧海軍の巡洋戦艦鞍馬を継ぐ艦であると共に、佐世保第2護衛隊群旗艦として名を馳せた一隻、中国原潜対処海上警備行動や第一次インド洋派遣任務部隊旗艦など、先代や鞍馬山の名に恥じない活躍を続ける護衛艦です。

Img_7756  そんな海上自衛隊を代表する護衛艦と言える一隻、しかも幾度も足を運び馴染みのある京都の山の名を冠した一隻が、貨物船に衝突されたという理由で除籍、ともなれば海上自衛隊今後100年の歴史に影を落とします。修理が決定し一安心、そしてその修理が完了し、佐世保に帰港と聞きまして祝杯を挙げました次第。

Img_0024_1  日本の防衛、という観点からも、くらま復帰は重要です。ヘリコプター搭載護衛艦は、潜水艦の天敵である哨戒ヘリコプター多数を運用して、同時に整備することで長期的な対潜哨戒を行う事が出来ます。普通の護衛艦ではヘリコプターを搭載することが出来ても整備能力の面で限界がありました、この点、天敵を多数運用できるヘリコプター搭載護衛艦の意義は大きい訳です。

Img_0138_1  海上自衛隊は、就役後慣熟訓練中の最新鋭艦ひゅうが、そして、しらね、くらま、ひえい、の四隻を運用しているのですが、しらね、は修理中、くらま、も修理中でしたので、有事の際に即応できるのは最古参の、ひえい、だけだった訳ですね。その中で、くらま、は第一線に復帰するのですから意義が大きい訳です。

Img_0046_1  貿易立国であるとともに資源や食糧などを海運に頼る日本としては海洋の自由は死活的利益にかかわる問題です。また第二次大戦中はアジアと日本本土、最終的には朝鮮半島や青函地区の輸送までも潜水艦と機雷により遮断され飢餓線上に追いやられた事で戦争継続が出来なくなった、という歴史があります。日本の繁栄は世界の公共財、日本の安定あってこその世界の繁栄、こういう意味から海上自衛隊の重責は大きい訳です。

Img_0088_1  シーレーンの維持は日本の防衛にとってαでありΩ、そして日本の周辺は多数の潜水艦を運用しつつ海洋の自由という国際公序を理解せず不可解な行動を執る政治主体がある訳で、こうした状況に対処する護衛艦、その中でも歴史と伝統、実績を背負う、くらま、が、ひえい、に加わる、という事は相応の意味がある事でしょう。修理完了おめでとうございます。

HARUNA

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コメント (6)
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