◆一杯やった帰路に電車でふと考えた
豊川駐屯地祭、行きたかったのですが行けませんでした。行事そのものもありますが、駐屯地祭でなければ会えない人がいますから、ね。
豊川駐屯地ですが、個人的な関心事はFH70の後継はどうなるのか、ということでしょうか。FH70は半自動装填が可能な39口径砲、自走も可能な優秀装備です。しかしFH70というのは70年代における先進砲を目指したものでして、果たして2000年代、2010年代の将来戦に対応しているのか、という不安があるわけです。
今日、先進諸国の火砲は自走榴弾砲を主軸として整備されているのですが、これら全ては対砲兵戦への対応を第一に考えた結果の装備となっています。即ち、対砲兵レーダーにより射撃位置が比較的短時間で暴露するよう、技術は進展していますので、射撃を行う砲兵としても射撃と離脱を迅速に行わなければ反撃により大きな損害を被るようになっているわけですね、昔の映画のように陣地を構築して長期間の砲撃を行う、という構想そのものもが古いわけです。
射撃と陣地転換、これを迅速に行えるのは自走榴弾砲だけなのですが、予算の制約から自衛隊ではこれが難しく、特科火砲の自化は北部方面隊に限定されているわけです。路上機動を考えると、道交法の制約を受けるという難点があるのですが、しかし、自走榴弾砲であれば、走行間射撃こそ行えないものの運用の柔軟性は飛躍的に高まります。
そこでこれら両立させる手法として、装輪車に榴弾砲を搭載する簡易自走榴弾砲、という選択肢があります。第二次大戦中のポーティーシステムに端を発するのですが、フランスのカエサルシステム、スウェーデンのアーチャーシステム等実績はあるのですよね。陸上自衛隊では、こうした装備に興味を示している、という話は聞くのですがなかなか実用化に向かう話に発展しません。
技術研究本部が先進軽量砲として研究を重ねていますし、この種の車両の原型となる車両は既に国内で開発されています。FH70の寿命も永遠ではないのですし、そろそろ後継装備選定が本格的に行われてもよいころです。いったい。どのような装備になるのかな、と豊川駐屯地祭の話をきくたびに、少し考えてしまう今日この頃です。
HARUNA
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