◆明日は岐阜基地航空祭
いよいよ明日に迫った岐阜基地航空祭ですが、どうやって撮ればいいのか、本日はその撮影ポイントを少し紹介です。
岐阜基地航空祭、戦闘機、支援戦闘機のオープニングフライトに始まり、戦闘機と練習機による機動飛行と編隊飛行、初等練習機と支援戦闘機の飛行特性紹介や輸送機の機動飛行、そして各種航空機が参加しての岐阜基地名物多機種編隊飛行、ブルーインパルス飛行展示、以上様々な飛行展示が行われます。そしてXC-2が初公開されます。
新型輸送機XC-2、今年1月26日に初飛行が実現した国産輸送機、世界的に見ても高速巡航飛行が可能で多くの装備を長距離輸送できるという事で注目の航空機でして、一般公開は明日が初めてです。飛行展示は行われませんが、試作機の塗装とともに地上展示されることとなっています。
岐阜基地航空祭は入間基地航空祭に次いで来場者の多い航空祭でして、当然会場の人口密度もかなり大きくなります。岐阜基地航空祭撮影ポイントというのは、そんな航空祭を効率よく撮影するための予備知識です。そういうのも岐阜基地は飛行開発実験団が展開している評価試験部隊の基地です。
しかし、入間基地航空祭を御存知の方は、それに次ぐ入場者、と聞くと混雑はいやだし行くのやめようかな、と思われるやも。他方思い出してみると入間基地並に入場者がある横田基地日米友好祭やそれ以上の入場者になることもある岩国日米友好祭の人口密度はそれほどでもなかった、という事。そう、公開される面積に航空祭の混雑は左右されます。
ブルーインパルスの展示飛行を筆頭に多くの展示はメイン会場を中心にレイアウトして実施されるのですが、岐阜基地は中部航空方面隊司令部の置かれた入間基地や要撃飛行隊等実戦部隊の置かれた基地と違い、開放されるエリアが案外広かったりするのが航空祭の特色です。
評価試験部隊の基地、新装備を実験して使える装備化精査する、旧型装備の際的な運用方法を研究する。つまり運用している機種が多く航空自衛隊の航空機はその大半の種類を撮影できるからです、どうせならもう全部の機体きれいに撮りたい。そう考えるのが人というものではないでしょうか。
航空祭開始と同時に最小限の撮影機材を担いで遮二無二走って最前列を確保する、兎に角背負える範囲内で水分と食料とレンズとカメラを担いで、どこかのお祭りのように走って本殿もとい本会場へ突進して位置を確保、離陸する機体を撮れる位置へ、バチバチ飛行展示を撮り続け、ひと段落ついたらば今度は時間内に地上展示機を全てこれも走って回って。・・・、疲れそうですね。実はこの方法、あまりお勧めできません。
岐阜基地ですが、メイン会場から撮影しようとしますとどうしても逆光になります。メイン会場は名鉄三柿野駅や名鉄各務原市役所前駅からほど近く、この名鉄各務原線は複線で輸送力がありますので駅からシャトルバスが必要な浜松基地航空祭とは違いますし、入間基地航空祭のように一つの駅に来場者が集中することもありません。
しかし逆光で、ここから撮影すると空が青く写らないのですよね。しかも晴天の時ほど逆光で機体本来の色が見えにくくなってしまいます。岐阜基地には評価試験用に派手な塗装を施された機体がありますし、本来の色を写真に収めるためにはぜひとも順光の環境で撮影したいのですが、これはメイン会場からは無理、こうなります。
そこで南側にも会場が用意されているのが岐阜基地航空祭の嬉しいところ、岐阜基地撮影ポイントは南側会場からですと終日順光で撮影することができます。南側会場は、保存展示機エリアなのですが、ここにも模擬店が並んでいましてメイン会場ほどではないのですが、お昼ご飯など補給が出来ます。
この位置から撮影するとメイン会場とは明らかに写真の出来が違ってくるのですが、雨天や曇りの時ですとメイン会場でも同じように写真が撮れます。なんといいますか、曇りや雨では絶対空は青くなりませんからね。この南側会場、面白いのは人口密度がメイン会場ほど大きくないのと、写真撮影をじゃまする植え込み周辺は特に人が少なく、この間から写真を撮影すると管制塔と航空機を一枚に写し込むことが出来るのです。
もっとも、植え込みの隙間から撮影すると300mmズームではトリミングが必要で、400mmくらいのズームがほしくなるのですが、ね。もうひとつ、メイン会場以上に離陸の様子を迫力ある写真で収めることが出来ます、ただし、エンジン推力に余裕のあるF15やF2は短い距離で離陸して急上昇するので、F4が一番の狙い目になってくるのですけれども。
岐阜基地撮影ポイント、青空を背景に迫力ある航空機の写真を混雑を避けるという条件と両立して撮影するには、いっそ基地の外に出てしまうという裏技もあります。この裏技、基地の北側から撮ると逆光で非常に残念な結果になってしまうのですけれども、航空宇宙博物館のあたりや航空宇宙博物館のもう少し北側から撮影すれば、まあ、けっこうなんとかなります。
いやいや、さすがに山が邪魔で見えないでしょう、とメイン会場からみえる稜線を眺めそう思ってしまうのですが、これがこれが意外や意外、みえるんです。騙されたつもりで、去年やってみました。ただし、絶対にここへは自家用車で行ってはいけません、違法駐車、近所迷惑、言語道断です。遠いけどどうやっていくのか、それはバスです。
バス。南側ゲートまでメイン会場西側から有料のシャトルバスが出ているのですよ、これ本数も多く行列が100mくらいならすぐのれます。南側会場へもシャトルバスが便利です。運行しているのは今や愛知県にも進出している岐阜バス、名鉄の子会社として有名な岐阜バス。
広がる田園、コンビニも売店もなく、お手洗いも基地内か航空宇宙博物館を利用するしかないのですが、なにぶん航空祭で混雑するのは離着陸が見える最前線、毎回毎度リーマービンの最前線物語以上に緊張する最前線が、この外側からは全く見えないので、終日ゆったりしています。
もうひとつが、逆光ですが航空機を間近に見ることが出来る誘導路付近でしょうか。特に岐阜基地で有名な多機種大編隊は滑走路に沿って飛行しますので、これに関してはメイン会場並にしっかり見えますし、着陸した機体までの距離が近いです。この写真は、外周道路と誘導路の接近しているあたりからの写真。
岐阜基地外周道路、結構距離があるのですが、こちらも一般に開放されていますので、距離がざっと2kmくらい、着陸した機体を近くに見ることが出来ます。撮影ポイントとしては知る人ぞ知る、知らない人は知らないポイントです。メイン会場でも最前列付近はこうした風景なのですが、こちらの方が空いています。
誘導路を往く航空機というのは、航空祭というよりは実任務に赴く航空機のような印象なのですが、こうした雰囲気あふれる写真が撮れる、という事以外にも誘導路場場所によっては機体が方向転換しますので、航空機の形状を余すところなく撮影することが出来る訳です。なお、荒天時には滑走路の方向が逆になるので要注意。
この撮影位置の難点は、救難展示がやたらと遠いところでしょうか、なんか遠くでやっている、というくらいの風景です。誘導路は大型機と小型機、そしてほかの航空機が違う誘導路を使いますので、混雑していないという点はいいのですが、機体をきれいに撮るのならば航空宇宙博物館か、南側会場のほうがいいでしょう。
しかし、忘れてはならないのが地上展示機。これがメインに近かったりします、今年はXC2が展示されるようですからね。メイン会場に並んでいまして、CCV試験機、F15近代化改修の1型と2型、F4EJの改修されてない機体、最近は入間からEC1がきたり小牧からKC767が来たりしています。
これをじっくりと見ておきたいですね。どうするか、走るんです。結局はそれかい、と突っ込まれそうですが、開門とともに会場に入り走って撮影して走って前述の撮影ポイントへ向かう、という方法です。もしくは、上記の南側ポイントで出来る限り早く足を運んで、ブルーインパルスの飛行展示の際にメイン会場へ、という方法もあるかもしれません。
とにかく、岐阜でなければ見れない、来年の岐阜で展示されるかは分からない、という機体もありますので、一度はメイン会場に足を運びたいところですが、この配分については、最後は足を運ばれる皆様の判断と英断、というところです。明日の天候はやや、・・・、ですが、雨天は午前中は持ちそう、それではよい一日をお過ごしください。
HARUNA
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