◆PowerShot G-12撮影速報
大宮駐屯地祭、撮影速報の前に先ず最新装備であるNBC偵察車の写真を紹介したいと思います。
NBC偵察車は、現在全国の部隊で使用されている化学防護車の後継として開発されたもので、化学兵器への対処初動における偵察のほか、生物兵器散布に対し、また核汚染地域での偵察任務を念頭に、十分な検知及び分析機材を新型の装甲車両に搭載する形で完成するに至ったもので、原型となる装甲車は将来装輪装甲車体系の人員輸送型や指揮通信車、自走迫撃砲や自走高射機関砲型、装甲戦闘車や偵察警戒車などの基本型となる、陸上自衛隊の将来装備体系に大きな影響を与える車両となるものです。
NBC偵察車は、一見重心が高くなっている印象があり、不整地走行では横転などの心配が残るところですが、部隊において運用を開始した時点では一見して思うような不整地突破能力の不安はないとのことで、路上高速走行は安定しているとのことdした。が、視界が従来の化学防護車よりも増大しているため、自車防護を如何に行いつつNBC状況の偵察を行うのか、というところは課題となるとのことです。もう一つ、車体は全長8m、重量20t、大型化していますが、乗車には化学防護車と比べ側面に乗降扉が配置され即応性が向上したとのことでした。
装甲厚は当然野暮ですから聞きませんでしたが、車体構造の細部を見たところ概ね14.5mm耐弾は確保されている、重量から同程度の各国車両と比較しますとこう考えられます。車内では移動が容易で、作業空間では一定の高さを確保しているようです。化学防護車よりも人mが増えているのですからとぷ善とはいえるのでしょうけれども。この車体前面の装甲板は車内操作から開閉が可能ですが、車高が大きいことから装甲人員輸送車とする場合はどうなるのか、見方は二つあり、元々化学剤と生物剤検知器材を有するため、車内容積を大きくする必要があるため、指揮通信車型と本車はこの形状、人員輸送型は操縦席形状を変更し、車高を抑えるのかもしれません。
NBC戦場へ、外見から遠隔化学剤監視装置としてレーザーを照射しその反射特性から化学兵器攻撃の汚染地域分布状況を把握する装置、そして生物偵察車のマストと類似の検知装置が見えています。化学防護車は自車位置の汚染状況が把握できるのみでしたので、遠隔化学剤検知能力は大きな向上です。しかし、この方式、横転時は破損しそうなのと、伸縮式マストに搭載すればより遠距離の汚染状況が把握できたと思うのですが。他方、化学防護車の難点と言われた外部土壌サンプル回収用の操作性が難しいマニュピレータは、車内から防護用ゴム手袋を介して手動で回収する方式に転換、化学実験室と同等に操作性がよくなったとのことでした。
人員輸送型がどうなるのか、ですが、恐らく操縦席をトラックキャビンタイプから戦車操縦型として前方投影面積を局限化し、排気塔部分を低下させるか配置を車体前方に転換し、車高を大きく下げ生存性を確保すると共に開発中のRWSにより車内からの機関銃操作を行うものとなるのではないでしょうか。まだまだ報道公開では軍事専門誌が招待されず、今回初めての一般公開となった装備ですので評価は定まらないものですが、陸上自衛隊の将来装備として派生型と共に大量配備されることは望ましいですね。
北大路機関:はるな
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