北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

中国艦三隻大隅海峡通峡・ロシア長距離対潜哨戒機二機日本海上空に出現

2012-06-16 22:57:59 | 防衛・安全保障

◆中国艦及びロシア機動向に関する防衛省発表

 中国艦三隻が大隅海峡を通行、その翌日にロシアの長距離対潜哨戒機が日本海上空に出現しました。

Img_3305 鹿屋航空基地の第一航空群に所属するP-3C哨戒機が屋久島西方海域を13日、中国海軍艦艇3隻が東シナ海より太平洋方面へ航行しているのを確認しました。海上自衛隊によれば、今回航行が確認されたのは2006年より二隻が就役している大型の旅州型駆逐艦の瀋陽、そして量産型である江衛Ⅱ型フリゲイト九番艦の綿陽、加えて補給艦副清の三隻です。

Img_6654p 海上自衛隊がこの三隻を発見したのは屋久島西方410kmの海域ですが、その後警戒を続けたところ、艦隊は大隅海峡を東航したとのこと。大隅海峡の中国艦通峡は昨年までは非常に稀有な事例であったのですが、今年に入ってからは二回目とのことで、この海域における中国海軍の行動活性化を示しているともいえるでしょう。

Img_0401 中国海軍は近く西太平洋上において軍事演習を実施すると広報しており、今回の大隅海峡通峡艦艇の動向との関係は今のところ未知数ですが、この海域での活性化が近い将来、我が国に直接影響を及ぼすような挑発行為へ発展しないよう、護衛艦などによる警戒監視を強化することが求められます。

Img_6727 一方、ロシア機による日本海上空の我が国領域への接近事案が14日に発生しています。接近したのはTu-142,これはTu-95爆撃機を原型とした対潜哨戒型で、日本海を竹島北方空域から我が国へ接近、その後隠岐の島沖にて日本海を能登半島方面、新潟方面へ飛行、秋田沖にて奥尻方面へ針路を変え、奥尻島沖にて沿海州へ変針、大陸側に戻りました。

Img_8767 航空自衛隊では戦闘機などを緊急発進させ、対応しています。中部航空方面隊管区から北部航空方面隊管区へ展開しているため、いくつかの基地の戦闘機が緊急発進したことが考えられます。ロシア軍にとり、中国軍の行動活性化は関心事でもあるため、波及効果として今後の行動活性化への影響が生じる可能性も考慮に含めておかなければなりません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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