◆第6師団中心の3500名が北海道へ展開
朝雲新聞によれば第6師団中心の協同転地演習が28日より開始されるとのことです。
陸上自衛隊は6月28日から8月1日にかけ、平成24年度協同転地演習を実施、東北方面総監渡邉隆陸将を担任官とし、東北南部を防衛警備管区とする第6師団を中心に東北方面隊管区から北部方面隊管区への長距離機動と師団規模の戦闘訓練や実弾演習を実施するとのこと。
演習規模は人員3500名、戦車20両、火砲30門を含む車両1000両、航空機10機が参加して行われ、自衛隊輸送艦、輸送機、ヘリコプターはもちろん、陸路、民間貨物船、民間フェリー、鉄道貨物輸送、旅客機までもを含む様々な方法により北海道へと展開、緊急展開能力を演練します。
北海道への展開は6月29日から7月8日にかけ実施され、7月8日と9日には北海道浜大樹海岸において海上自衛隊輸送艦からのLCACによる揚陸訓練を実施します。ちなみに、こちらは立入可能地域からの訓練見学が可能とのことで、戦車や火砲が揚陸する様子を見ることが可能な貴重な機会というべきでしょう。
協同転地演習はかつての北方機動演習に当たる陸上自衛隊の大規模部隊緊急展開訓練で、昨年の東日本大震災では、培われた陸上自衛隊の長距離展開能力が試され、文字通り奇襲というべき突然の緊急事態に際しても迅速に災害派遣部隊を東北地方へ緊急展開することが出来ました。
今回の協同転地演習は、北部方面隊管区では第5旅団管区の然別演習場において戦車や特科火砲による実弾射撃訓練が行われるほか、我が国最大の長距離射撃が可能な矢臼別演習場において広大な演習地を活かし部隊行進や集結地、防御戦闘等を実施し、特科火砲実弾射撃訓練と爆破訓練を行う、このように発表されています。
北海道での師団訓練は三週間弱、しかし、師団規模の部隊行動を実働で行うことは広大な演習場を有する北海道でしか不可能で、緊急展開訓練と共にこうした重要な要素もあります。部隊は7月26日から撤収を開始、展開と同等の方法にて師団管区へ戻り8月1日までに原隊へ戻るとのことです。
北大路機関:はるな
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