北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ヘリコプター護衛艦くらま就役30周年記念一般公開① くらま、へ佐世保基地倉島桟橋入場

2012-06-28 21:09:57 | 海上自衛隊 催事

◆真夏の佐世保基地くらま特別公開
 夏だ!、海だ!、佐世保基地だ!。・・・、最後の一か所は異論を認めます。しかし、昨年2011年は護衛艦くらま就役30周年という記念すべき年でした。
Dimg_8659_2 護衛艦くらま、第2護衛隊群の護衛艦で護衛艦しらね型2番艦、基準排水量5200t、満載排水量7200t。大型対潜ヘリコプター三機の集中運用を行う航空中枢艦ですが、護衛隊群の戦闘を効率化するべく同時に戦闘情報の収集と脅威判定、目標画定と対処を統括するデジタルコンピュータを搭載し、システム艦として完成しました。
Dimg_8277 この二番艦ですが、同時に本艦就役を以てヘリコプター搭載護衛艦四隻体制が確立、システム艦と従来ヘリコプター搭載護衛艦を運用する第51、第52護衛隊により二個護衛隊群に外洋作戦を可能とさせる航空哨戒能力を付与させ、その後護衛艦はるな型二隻のシステム艦への近代化改修を以て、四隻のシステム艦が四個護衛隊群直轄艦として配置でき、護衛艦隊の作戦能力は飛躍的に向上させた歴史的一隻、と言えるかもしれません。
Dimg_7484 くらま就役30周年。ちょうど長崎へ所要のあった当方は、長崎から大村線を佐世保へと向かいました。やはり夏の九州の日差しは鋭いということではあるのですが、京都の湿気や盆地の市街地が生み出す熱気と比べたらば、海風が運ぶ清涼感というのでしょうか、佐世保も長崎も気候は非常に過ごしやすい、これが率直な印象で、広がる青空とともに基地へ入ります。
Dimg_7485 桟橋では、試験艦くりはま、が停泊していました。横須賀の自衛艦ですので佐世保は何か運用上の寄港、ということになるのでしょう。今年除籍された試験艦くりはま、です。試験艦、海上自衛隊の様々な新装備その構成要素の実動実験を行う艦で開発指導隊群に所属、後継艦となるべき試験艦あすか就役後も長く現役に留まっていますが、用途は若干異なるとのこと。
Dimg_7490 佐世保地方総監部の新庁舎。この時まだ建設中。佐世保基地と護衛艦くらま。護衛艦くらま、は就役と共に佐世保基地第52護衛隊に配属、護衛艦はるな・くらま、として運用され、続いて第二護衛隊群直轄艦として、そのご第二護衛隊群第二護衛隊中枢艦として今に至りますが、その間母港は一貫して佐世保、これは海上自衛隊の歴史でも唯一とのことです。
Dimg_7613 佐世保地方総監部ですが、少し高台にある、という点、これは津波災害等を考えますと利点の一つと言えるかもしれません。もっとも、佐世保基地は非常に外洋から狭い水道を隔てていて、敵国戦艦の艦砲射撃から軍港を護る地形上の適地となっているのですが、狭い、そして入り組んだ水道は津波の威力も相殺する、ということ。昨年被災地松島に足を運びましたが日本三景松島の島々も津波の威力を相殺し、浸水したものの無事な建物は多かったことを思い出しました。
Dimg_7493 さて、くらま乗艦、というところなのですけれども、護衛艦ゆうだち、103が目の前に停泊しています。基準排水量4550tで満載排水量6200t、くらま、よりも一回り小さい護衛艦なのですが、ここ倉島桟橋は岸壁が決して長くなく、手前に一隻停泊すると見えなくなってしうまう、という。
Dimg_7610 くらま、少しだけ見えます。くらま就役と同時期に汎用護衛艦としてヘリコプターと各種誘導弾を搭載した護衛艦はつゆき型が就役を始めましたが、あちらは基準排水量2900t、満載排水量4000t、その頃と比べると汎用護衛艦は非常に大きくなった、という印象で、護衛艦の隻数が防衛大綱改訂と共に下方修正されるのと時期を合わせ、数が少ないのならば一隻当たり高性能化させ航続距離を大きくしよう、という循環になっているのは気のせいでしょうか、ね。
Dimg_7495 倉島桟橋から立神桟橋を望見します。補給艦はまな、護衛艦こんごう、などが見えますね。こちらは米軍管理の桟橋で、一々はいるのに米軍の手続きがいるという、立神で広報行事を行おうとするたびに一々米軍との調整が必要なのでどっちが戦争に負けたのかよくわかります、そう苦笑されたのは別の基地でお会いした現役2佐のお話でした。
Dimg_7494 強襲揚陸艦エセックス。ワスプ級強襲揚陸艦の二番艦で、現在は交代し強襲揚陸艦ボノムリシャールが前方展開しています。満載排水量は40000tを超える大型艦で、横須賀基地の原子力空母ジョージワシントンとともに極東地域への米海軍戦略的抑止力の中枢となっている大型艦。こんなかたちで紹介したのですが、次回は護衛艦くらま見学の様子を紹介したいと思います。

北大路機関:はるな

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