北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防衛省サイバー防衛隊新編へ、ネットワーク防護監視及びサイバー攻撃対処担う

2014-03-25 23:50:41 | 国際・政治

◆サイバー戦対処の基盤部隊目指す

 防衛省によれば、明日自衛隊はサイバー防衛隊が新編される、とのこと。

Bs_img_4312 サイバー防衛隊は明日26日に新編され、新編時の人員は概ね90名程度の人員を以て展開されます。今日の防衛は高度にネットワーク化され、情報伝送と共有化に指揮系統の迅速化などを担っています。こうしたなか、防衛情報ネットワークの遮断やインフラ制御に関わるサイバー攻撃や技術情報に対する攻撃の脅威は非常に大きなものがあります。

Biimg_0805 サイバー攻撃に対し、サイバー防衛隊はネットワークを攻撃に対し監視すると共に、脅威情報の平時からの収取と分析などの調査をおこなうと共に、実際のサイバー攻撃を受けた際には攻撃源の検知などを実施し、的確に対処することが主眼となります。

Img_1234 この部隊規模は90名程度を以て発足しますが、こののちに順次拡大改編されることとなり、サイバー防衛隊を基幹として、順次陸海空各自衛隊のサイバー防備部隊を拡大してゆく、という方向のようです。これまで、各部隊ではプログラム部隊等の少数の部隊のほか、コンピュータ技能を個人的に有する人員の集約も含め自隊防護を行ってきました。

Img_6964  その後、有識者の支援やネットワーク防護専門民間企業などの支援を受け、そのネットワーク防護に必要な人員の養成を継続してきました。サイバー攻撃について、様々な領域の脆弱性を就いて実施されるため、ネットワーク全体を監視することは容易なことではありません。

Bimg_5062 防衛省ではサーバー防衛隊は関係各省庁とネットワークセキュリティ専門の民間企業と共に協力し実施してゆく、という方向性を示しており、その任務範囲も当初は防衛省と自衛隊各部隊の防護を行うという事ですが、必要に応じ関係各省庁の防護支援も行う可能性がある、とのこと。

Img_9649 正直なところ、新編最初の90名がどの程度の防護を行うことが出来るのか、という点は当方として未知数です。一方で、民間企業との協力を行うのであれば、この90名に限った視点から考える事は出来ませんし、更に将来的にどの程度まで人員を拡大するのか、という点についても未知数、というところ。

Img_5343 他方で、興味深い、と言いますか、今回余り注視されていない部分として、サイバー空間での武力行使、武力というものを実力行使と書き換えても意味を同じとした上での視点ですが、これが憲法上の問題を有するか、という部分が、所謂識者からあまり注視されていない部分に興味がわきます。

Iimg_5946 これは国際法上の概念としての武力行使、日本国憲法上禁止されている武力行使とは国連憲章の概念に基づく武力攻撃であり、影響力の行使としての武力行使、経済制裁や外交上の制裁に出入国制限といった部分は含まれていない、と考えられます、対してサイバー攻撃を憲法上どう考えるのか、この命題に対する回答は示されていません。

Himg_3189 この命題に対する対応そのもので防衛に関する概念は変化するものですから、サイバー防衛隊の能力に期待するところは大きいのですが、併せて我が国としてサイバー攻撃をどのようなものとして考慮し対応するのか、という視点に対しても、興味が涌くところです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする