■政令指定都市と地方中核市
JR北海道の経営危機、全路線の半分が赤字という状況ですが、同じJRでもJR九州は収支全体に加え鉄道路線での経営黒字化に成功しました。ここから学ぶ点を探しましょう。
JR北海道とJR九州の比較ですが、赤字のままのJR北海道と黒字に転換したJR九州、というだけの安易な比較は実のところ無理があるかもしれません、それは北海道の都市人口が道都札幌一極集中である点で、都市間輸送需要が限りなく小さい点が挙げられます、実際、北海道には人口190万の札幌市以外、人口40万以上の都市が一つもありません。
鉄道運輸機構からの助成金の交付及び無利子貸付などは継続的に実施されていますが、ここまで過疎化しますと立て直しが難しくなり、また、この過疎化による鉄道輸送需要の激減は、これまでに北海道にて廃線となった地域が過疎化を拡大させたという視点から、過疎地域維持という視点からのもう少しの支援枠組など、考えるべき視点は多いでしょう。
北海道主要都市について。札幌市1,914,434 名、旭川市347,275名、函館市279,110名、釧路市181,206名、苫小牧市173,406名、帯広市167,860名、小樽市131,970名、北見市125,628名、江別市123,751名、室蘭市94,531名、主要10都市を挙げますとこのようなかたちとなりました。道都札幌と第二の都市旭川の人口の大きな開が端的に見て摂れます。
九州主要都市について。福岡市1,463,826名、北九州市977,288名、熊本市734,294名、鹿児島市605,940 名、大分市473,955名、長崎市443,469名、宮崎市400,352名、久留米市302,323名、佐世保市261,146名、佐賀市237,501名、となっています。この内、福岡市と北九州市に熊本市は政令指定都市、県庁所在地が多いですが、重ねて都市人口も多い。
政令指定都市と地方中核市の数が根本から違う為輸送需要も違う。この通り、JR九州が成功したのだからJR北海道も経営を黒字転換できるはず、というには、北海道と九種の過疎度合いがあまりに違う、という部分を無視して話すわけにはいきません、特に九州新幹線が。福岡市1,463,826名、北九州市977,288名、熊本市734,294名、鹿児島市605,940名を結んでいるのに対し、北海道新幹線は端緒に就いたばかりです。
除雪費用という難点も無視してはなりません、北海道の自治体は除雪費用に非常な苦労を重ねている点は報じられるとおりです、勿論北海道は積雪に対し強いのはご承知の通りでして、一方、例えば九州では北海道でいう若干程度の積雪や低温に見舞われた際にも、水道管破裂や地域孤立となった2015年低温被害の事例を思い起こせば理解できましょう。
九州はその分、台風被害が大きいのですが、台風被害については強風による影響は一過性の物であり、水害などに拡大しなければ一過性と施設保守により対応出来ます、他方で積雪については除雪しなければ一過性とならず、この為の費用が嵩みますし耐寒構造の車両の費用も無視できず、低温や除雪費用を一種の災害として公的補助の視点が必要でしょう。
この北海道が昨年の台風により大きな被害に見舞われた背景には、計画洪水水位が元々大量の豪雨に見舞われない地域故に九州などよりも低く設定されていたとの事情があり、極端気象や気候変動影響、様々な表現はありますが弱っている経営体力を更に悪化させるほどの衝撃となった訳です。地域性や異常気象、この部分を少し柔軟に対応すべきで、と。
全路線の半分が維持困難で支援が無ければ廃線もやむなしという状況で、しかも今回の報道は現状の対応策を即座に取らなければ、数年という早い時期に全ての路線での列車運行に支障が出るという切迫した状態です。しかし、自治体経済力に限界があると共に、影響は当該路線に面した地域以外の大都市にも及び、これは過疎化を加速する大きな問題です。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
JR北海道の経営危機、全路線の半分が赤字という状況ですが、同じJRでもJR九州は収支全体に加え鉄道路線での経営黒字化に成功しました。ここから学ぶ点を探しましょう。
JR北海道とJR九州の比較ですが、赤字のままのJR北海道と黒字に転換したJR九州、というだけの安易な比較は実のところ無理があるかもしれません、それは北海道の都市人口が道都札幌一極集中である点で、都市間輸送需要が限りなく小さい点が挙げられます、実際、北海道には人口190万の札幌市以外、人口40万以上の都市が一つもありません。
鉄道運輸機構からの助成金の交付及び無利子貸付などは継続的に実施されていますが、ここまで過疎化しますと立て直しが難しくなり、また、この過疎化による鉄道輸送需要の激減は、これまでに北海道にて廃線となった地域が過疎化を拡大させたという視点から、過疎地域維持という視点からのもう少しの支援枠組など、考えるべき視点は多いでしょう。
北海道主要都市について。札幌市1,914,434 名、旭川市347,275名、函館市279,110名、釧路市181,206名、苫小牧市173,406名、帯広市167,860名、小樽市131,970名、北見市125,628名、江別市123,751名、室蘭市94,531名、主要10都市を挙げますとこのようなかたちとなりました。道都札幌と第二の都市旭川の人口の大きな開が端的に見て摂れます。
九州主要都市について。福岡市1,463,826名、北九州市977,288名、熊本市734,294名、鹿児島市605,940 名、大分市473,955名、長崎市443,469名、宮崎市400,352名、久留米市302,323名、佐世保市261,146名、佐賀市237,501名、となっています。この内、福岡市と北九州市に熊本市は政令指定都市、県庁所在地が多いですが、重ねて都市人口も多い。
政令指定都市と地方中核市の数が根本から違う為輸送需要も違う。この通り、JR九州が成功したのだからJR北海道も経営を黒字転換できるはず、というには、北海道と九種の過疎度合いがあまりに違う、という部分を無視して話すわけにはいきません、特に九州新幹線が。福岡市1,463,826名、北九州市977,288名、熊本市734,294名、鹿児島市605,940名を結んでいるのに対し、北海道新幹線は端緒に就いたばかりです。
除雪費用という難点も無視してはなりません、北海道の自治体は除雪費用に非常な苦労を重ねている点は報じられるとおりです、勿論北海道は積雪に対し強いのはご承知の通りでして、一方、例えば九州では北海道でいう若干程度の積雪や低温に見舞われた際にも、水道管破裂や地域孤立となった2015年低温被害の事例を思い起こせば理解できましょう。
九州はその分、台風被害が大きいのですが、台風被害については強風による影響は一過性の物であり、水害などに拡大しなければ一過性と施設保守により対応出来ます、他方で積雪については除雪しなければ一過性とならず、この為の費用が嵩みますし耐寒構造の車両の費用も無視できず、低温や除雪費用を一種の災害として公的補助の視点が必要でしょう。
この北海道が昨年の台風により大きな被害に見舞われた背景には、計画洪水水位が元々大量の豪雨に見舞われない地域故に九州などよりも低く設定されていたとの事情があり、極端気象や気候変動影響、様々な表現はありますが弱っている経営体力を更に悪化させるほどの衝撃となった訳です。地域性や異常気象、この部分を少し柔軟に対応すべきで、と。
全路線の半分が維持困難で支援が無ければ廃線もやむなしという状況で、しかも今回の報道は現状の対応策を即座に取らなければ、数年という早い時期に全ての路線での列車運行に支障が出るという切迫した状態です。しかし、自治体経済力に限界があると共に、影響は当該路線に面した地域以外の大都市にも及び、これは過疎化を加速する大きな問題です。
北大路機関:はるな くらま
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